DRAWMER DS-201 ノイズゲート
明瞭度への挑戦が一応自分なりに納得できたのは、憧れ(?)のDRAWMER DS-201を入手できたことが大きな原因です。
他の機材でもイイ線まではいけるのですが「もう少し・・・」という痒い所に手が届かない感じでした。まぁ、実際にモニターしても殆ど分からないような差なので、ほとんどが自己満足だと思いますけど。趣味だし、自分が気持ち良いし・・・ね。でも無線用としては・・・やっぱり勿体ない機材でしょうね(笑)
DRAWMERは「ドローマー」と呼ぶようです。ノイズゲートでは古くから評価が高いメーカーです。このDS-201はスタジオ機材の定番になっているようで、よく貸しスタジオの機材にもリストアップされています。
特徴はゲートの動作専用(キー信号)と実際の処理用の2入力で、別途入力したキー信号でもゲート動作が可能です。また、キー信号にはLPFとHPFが入っています。
これが非常に使える機能で、例えば無線機のファン(数百Hz)の音をカットして、500-2500Hzの信号だけでゲート動作させることができます。
僕の場合は、この機能でスレッショルドレベルを約7db程下げることができました。もちろん、このフィルターはゲート動作用としてのみ働き、元の入力信号の周波数特性には全く影響を与えません。
もう一つは、ノイズゲート専用機ですからバラメーターが細かく、また、スペック的にも大変優れています。最小アタックタイムは10μS(!)ですし、ホールド(2mS~)、ディケイ(リリース 2mS~)、レンジも最大-80dbまで指定できます。
また、無線では3.5メガomさん専用(?)かも知れませんがダッキング機能があります。ラジオなんかで、音楽の上にDJの声をかぶせて、DJの声がかぶる時だけ音楽のレベルが少し下がるテクニックがありますが、アレをダッキングと呼びます。
ダッキングはミキサーを使って手動でやることもできなくはありませんが、放送局ではノイズゲートを使ってマイク入力があると音楽のレベルを下げるようにしています。
キー入力にマイク音声をバラに入れて、ノイズゲートには音楽を入力します。音声のキー信号でゲートがクローズした場合(通常の使い方とは逆です)には、inされた音楽が-15db程度さがってoutされるようにレンジを設定して、本来の音声出力と201経由の音楽の出力を単純にミキサーでミックスすれば出来上がりです。
実は遊びでやってみました。
いゃぁ、気分は実にDJになります。電波でやると危険そうな感じです(笑)。
極めつけは無線とは無縁なんですがBANDWIDTH 23Hz to 31KHz -1dBってことです。普通は20Khz程度かなぁ・・・。きっと楽器なんかの高音部分の透明感や空気感なんかが違うのでしょうね・・・。
基本設計はかなり古いのですが、現在でも現役の名機です。新品ではとても買えませんので、ず~~~っと中古を探していたのです。
中古品も玉が少ないため諦めていたのですが、運良く、連休中に格安中古品を入手することができました。
外見は多少くたびれていますが電気的にはなんの問題もなく、まだまだ元気のようで、高速アタックタイムと非常に短いホールド・ディケイ設定で今回の実験に貢献してくれました。
しかし、最新の機材では入力信号をデジタル化してデータを先読みし、実際のデータ加工は若干のディレイを付けて処理する方式(Look a head方式)が採用されはじめていて、ノイズゲートで頭切れを起こすようなことは少なくなってきたようです。
無線機でもVOXに同じ回路が採用されて、VOXに付き物だった頭切れは発生しなくなりました。
「か き く け こ」ってテストして、ローカル局に「あ い う え お に聞こえるよぉ~」なんて言われたのが懐かしいですねぇ・・・。
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