Heil PR40
実は、この大きなマイクは中身に大変興味がありました。そこで、注意深くグリルを外してみると・・・・・
こんな感じで、肝心のマイクエレメントはマイクの先端に位置するように配置されています。グリルの内側にはぐるりとスポンジが入っています。
ダイナミックエレメントは直径30mm程度の大型のもので、先端にはフェルト状のフィルターが付いています。
グリルのスポンジと合わせて、吹かれにも強くポップガードは無くても大丈夫かな?この辺りはHeilのマイク全般の特徴ですが、無線用途を考慮しているのかも知れません。
周波数特性はコンデンサーマイクに良く似ていて30hzくらいから上の方までスッと伸びているようです。特に200hz以下の低域はスッキリした音で、こもった感じはありません。50hz位の音も綺麗に録れます。また、近接効果が少なくてオンマイクでも音質があまり変化しないのは大変嬉しい特徴です。
ダイナミックマイクの場合、痩せた低域をカバーするために近接効果を利用して、オンマイク気味で低域を補うこともできますが、マイク自体がちゃんと低域まで伸びていればそのようなテクニックは不要です。
近接効果についてはHC-4やHC-5もありませんし、Heilでは音質変化嫌い、近接効果が起きにくいようにマイクを設計しているようです。Bob社長のコダワリではないでしょうか?
低域はコンデンサーマイクのような感じなんですが、中・高域にはダイナミックマイクとしてのメリハリ感もあります。
フラットな周波数特性なので、僕の場合は2-3khzにかけて数dbプーストしてあげた方がいい感じでしたが、これは好みのレベルで何もしなくても十分でしょう。
まだテストしかしていませんが、ゲインさえ無線機と合わせれば(簡単なアンプかミキサーとかで十分)、イコライジングとかしなくても十分無線に使えるマイクだと思います。ヤエスとかケンウッドの無線機ならば変換ケーブルだけ用意すればokですね。
価格も$200程度ですから悪い筈はないのですが、この豊かで上品な低域は大口径のマイクエレメントならではのものなのでしょう。
そのような意味では、AKG D112と低域の音質の雰囲気が似ています。コンデンサーマイクとダイナミックマイクの特徴を併せ持ったPR40、僕は大変気に入りました。
PR40の音質はWZ5QのサイトのMicrophone Warsで詳しくレポートされています。オーディオファイルも多数。比較の対象は倍以上の価格のEVのRE20ですので、ぜひお聞きください。
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コメント
早坂さん
コメントありがとうございます。発売直後に入手されているのですね。
NTKと同等の周波数特性とのこと、私もNT3と比較して遜色ないなぁ・・・と思っていたのですが、素晴らしい特性のマイクですね。
こちらも現在のメインマイクになっており、i5の出番が少なくなってしまいました。
お空でぜひ、PR40+FTdx9000の音をお聞かせください。
投稿: JI1ANI 福井 | 2005年7月11日 (月曜日) 21時09分