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2005年7月17日 (日曜日)

コンプのスレッショルドレベル

僕のマイク系のシステムでは、コンプレッサーはdbxのQuantum2のマルチバンドコンプレッサーを使っています。
クロスオーバー周波数は200/630/1800hzとして4バンドで使っています。今までスレッショルドレベルは全バンド一緒で-35~-30db程度で設定していました。
今日、いつものように無線を始める前の儀式(送信音のモニター)をしているときに、フト思い立って上の2バンドだけ、スレッショルドレベルを5db程上げてみました。
すると、想像以上に音が変わります。全体的なチューニングとして低音域を強めにしていますし、-30db以上の入力がコンプレッサーに入るようにレベルを設定していますので、出力のレベルとか、全体の音のバランスは変わりません。

でも、高音域のスレッショルドレベルをあげることで、音のイメージがかなり元気な感じになります。
イコライザーで高音域を強調した時とは違って、声のニュアンスが良く伝わるようになります。スレッショルドレベルをあげたことで、コンプレッションされるまでのレベルがあがったことが理由であることは理解できるのですけど、ここまで違うとは・・・・。

まぁ、理屈で考えると現象としては理解できるのですけど、実際に「音」がどのように変化するのかは全く予想できませんでした。う~ん、ダイナミックマイクがコンデンサーマイク的な感じになると言えばいいのかな?
それとも、アンビエンス機能と言えばそのマンマかなぁ・・・・。ただ、アンビエンスの場合は全周波数に対して効くのですけど、今回の設定では高音域に「だけ」効くのが違うなぁ・・・・。
直接モニターすると、ちょっと自然な感じとは違うのですけど、別の無線機でモニターしてフィルターを切り換えると、狭い時と広い時の両方でそれなりに聞こえるのがミソ。
つまり、ラグチューモードでもDXモードでも、それなりに使えそうな感じです。この設定で色々とレポートもらってみま~す。

マルチバンドコンプレッションの利点は、全周波数帯域のコンプレッサーだと、低音を強調すると、低音のピークでコンプレッションがかかってしまい、高音域も同時にコンプレッションされてしまうのに対して、低音のみコンプレッションされて、高音域はスレッショルドレベル前なら圧縮されず、素のままの音が出力される点にあります。
したがって、入力信号がシングルトーンの場合には差はありませんが、同時に複数の周波数、しかも帯域が広い場合(音声などが代表的ですね)が入力されると、それぞれの帯域で個別に動作するため、周波数帯域全体にわたって平均的にレベルがあがります。
結果的に、低音も高音も「でる」ようになります。

今までの経験から、低音域は「強さ」を、高音域は「表情」に影響がありますので、強くてハギレの良い電波を送信するためには、マルチバンドでコンプレションした方が良い結果となります。別の言い方をすれば、低音域は「母音」で、高音域は「子音」と考えると分かりやすいかも。
もちろん、この辺りは完全に各人の好みですけどね。

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