リバーブを使って広がりを出す
JA1BBP早坂さんが、NoiseGateの効用を音声ファイルで比較されています。ノイズゲートの特徴を大変よく表していて、効用が良くわかります。
エキスパンダーも効用は基本的にはノイズゲートと同じと思って差し支えありません。ノイズゲートやエキスパンダーはバックグラウンドノイズを削減して、音声のS/N比を向上させますが、キツめに入れると問題点もでてきます。
それはノイズゲートやエキスパンダーでスレッショルドレベル以下の音をカットすることで、周囲のノイズと一緒に声の自然な残響音などが消えてしまい、声がデッドになってしまうことです。
つまり「鳴り」の部分が消えてしまって、本当に発生した声のみになってしまうのです。「鳴り」の部分は声の潤いや広がり感に非常に重要です。
僕が音づくりに使っている機材で、一般の方に馴染みが薄いエフェクトがリバーブです。簡単に言えばエコーなんですけど、エコーというと「カラオケエコー」が思い浮かびます。僕が無線に使っているのは空間系の残響です。
ノイズゲードなどで「デッド」になってしまった音声にリバーブをかけてあげることで、失われた「鳴り」の部分を加えて、潤いや広がり感を加えて「良い声」にするわけです。
このような用途に使えるリバーブは、固めの壁や天井の部屋で音が鳴った時に、天井や壁で音が反射して自然に音が「響く」ような残響が短めのリバーブです。
僕は「リビングルーム」というリバーブ設定を愛用していて、僕の音の一つの特徴になっていると思います。
同じような空間系の残響でも、教会やホールのように残響が長く続くのは無線にはちょっといただけません。(歌とかにはいいみたいですよ)
実際の効果をリバーブなし(ノーマル)と有りで比較したファイル「reverb.mp3」です。
リバーブを入れた方が、声が広がっている感じがでているのですが、判りますでしょうか? 無線の場合、リバーブをカラオケみたいに「ガンガン」効かせるとブチ壊しですので、隠し味として本当に軽く効かせるのがコツです。
今回は違いが良く判るようにリバーブをキツ目に入れてあります。普段はもっと軽く掛けていますので、僕から言わない限り「リバーブを使っている」ことはわからないのではないかと思います。
気づいたとしても、広めの静かな部屋でマイクを少し離したスタイルで無線している・・・と思ってしまう・・・というのがリバーブの狙いです。
本当は狭い部屋で環境騒音に囲まれて、マイクにかじり付いているわけですから。
僕のリバーブ機材は T.C.Electronic M300 ですが、他の空間系のリバーブエフェクターでも同じような効果が期待できると思います。
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