« IC-7800の受信音質をアップ? その2 | トップページ | 59+40db China Radioは強い! »

2005年12月 6日 (火曜日)

IC-7800の受信音質をアップ? その3

IC-7800の各種オーディオ出力の周波数特性をあたってみました。アナログ出力の場合は、インピーダンスやケーブルで周波数特性が簡単に変わってしまうので、データは参考としてください。

測定は各種出力をパワーアンプに接続して、パワーアンプのライン出力(録音用)で計測していますので、基本的にはパワーアンプに入力される周波数特性と考えて良いと思います。
もちろん、測定の再現性が高いものでも、音の出口であるスピーカーで周波数特性は大きく変わってしまいますし、音は周波数特性だけでは決まりませんから今回は傾向を見る程度のものです。

実験は実際に7800でマーカーとなるキャリアをUSBモード、3.6(0-3600hz)Khz幅のフィルターで受信した結果です。

では最初に一番精度が高いと思われる7800のS/P DIF出力をCardDeluxeでD/A変換してからパワーアンプへバランス出力で入力したデータです。
amp3300_deluxe_in
慣れている方はこのグラフで大体音の傾向が判ると思いますが、素晴らしい。やはり期待通りこれが一番良い音で聴けます。メリハリがあって太い音なんですけど、透明感がある音で、解像度も高いCardDeluxeの音。
そうですねぇ・・・ちょうどスタジオモニターの音を想像すると大体当たっています。まるでオーディオシステム・・・です。これ凄いです。AM.放送がCD並みに聞こえますよ。

ライン出力(ACC端子)
amp3300_linein
ローが上がっていますので迫力があります。透明感はデジタル出力に比べて網戸半分(?)位かかった感じですけど、それはこだわりの世界の話。
無線機としては最上級の音質で性格も「ICOMの音」って感じがします。多分聞き慣れているためでしょうね。
但し、低域が持ち上がっているのは、自作インターフェースに入っているトランスが悪さしている可能性が高いです。参考値としてみてください。

最後はヘッドホン出力です。これは本当に本当の参考値、インピーダンス整合がメチャクチャですから。
ヘッドホン端子出力(参考値)
amp3300_phones_in
やっぱり聴いた通り帯域が狭いですね。高域はあんまり気になりませんでしたが、低域の良く出ている変調だと他の2例とはかなり声の印象が変わります。
でも、やっぱり変だなぁ~と思って、手持ちのトランスでインピーダンスを少し持ち上げてパワーアンプへ入力してみると・・・・
amp3300_phone_trans_in_
やっぱり特性が変わりました。トランスでインピーダンスを上げたらレベルも10db位上がりました。このことからも、ヘッドホン出力をライン入力するのは、やはりインピーダンスが合わず、本来の音にならないことが良く判ります。
今回のトランスも単純に「入れないよりマシ」レベルですので、ちゃんと整合すると周波数特性はもっと変わると思います。

感想

まだ十分に聴き込んでいませんが、AM放送や強い信号を受信した時の音質では間違いなく S/P DIF > ライン出力 >> ヘッドホン出力 です。
でも、カスカスの微弱信号の了解度は ヘッドホン出力 >> S/P DIF > ライン出力 の順番になります。
当然の結果ですが、パワーアンプの入力切換で簡単に入力を変更できるので、どれか一つに決める必要もありません。

S/P DIFをそのままD/A変換してパワーアンプに入れた時の音を聴けたのは大変良い経験になりました。無線機ではなく、オーディオを聴いているような素晴らしく透明感があって、でも、太くてききやすい音なんです。
音の性格も変わってしまって、明らかにICOMの音ではありません。別の無線機のような感じになります。やはりD/Aコンバーターから後ろで受信音は変わりますねぇ~。
ちょっと周波数特性が波うっている状態でこれですから、スピーカーの特性も含めてイコライザーで少し補正すればかなりイケそうな感じがします。

今回は「透明感」を求めて「低歪」がテーマでしたので、パワーアンプにはCECのAMP3300を使いました。AMP3300は純A級増幅のパワーアンプで、歪率は0.025%。元気な音がします。
全体的に音の解像度があがった印象があるのは、このパワーアンプによるところが大きいと思います。CardDeluxeに殆どジャンクのアンプ接続した時は今回のような「目からウロコ」はありませんでした。「いい音だなぁ~」って感じでしたからね。
amp3300f
無線機に繋いだのは・・・僕が初めてかもしれません。でもスピーカーまで手が回らず、DENONのSC-M53でモニターしました。
シャックの机の上にはこれ以上大きいサイズのスピーカーは置けません。
scm53
もっと上のクラスのスピーカーだと、音の違いはもっと明確になると思います。今回、このシステムでPCのHDDに溜め込んであるmp3やwavファイルを再生して聴きましたが、いゃぁ、タマゲタ。
オーディオシステムはPCとD/Aコンバーターとパワーアンプの時代なんですね。CDをHDDにコピーして聴いた方が全然いいです。どうりで最近PCなのかオーディオなのかわからない製品がでているわけです。
あんまりいい音のなで、無線より音楽聴いちゃいました。

使い勝手の面で、色々と問題もあるのですけど、暫くはこのシステムで受信するつもりです。
なお、音の評価についてはスピーカーで大きく変わりますし、その人の好みの世界ですので、今回のレポートが一般的なレポートではありませんこと、お断りしておきます。

無線家、オーディオマニア両方からみて変なことやっていると思いますけど、こればっかりは聴いてみないとわかりません。
各局のFBな変調を、ぜひぜひお聞かせください。ワッチしていま~す。

|

« IC-7800の受信音質をアップ? その2 | トップページ | 59+40db China Radioは強い! »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: IC-7800の受信音質をアップ? その3:

« IC-7800の受信音質をアップ? その2 | トップページ | 59+40db China Radioは強い! »