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2005年12月30日 (金曜日)

NHKの秘密

送信音に興味を持っている方で「NHKニュースのような変調にしたい」という野望を持っている方は多いと思います。
そのような耳でNHKニュースを聞くと、太くて了解度も高い大変FBな変調で送信されています。
以前にJA3USA 島本さんとIC-7800の音作りで色々と情報を交換した時に「NHKニュースをAM放送とFM放送で聴き比べるとAM放送の方が声が太くて飛びそう」と情報を頂きました。
分析しようと思っていましたが、AM放送とSSB送信は帯域も異なるのであまり参考にならない・・・と思っていました。先日、深夜帰宅のタクシーの中で「ラジオ深夜便」を聴きながら、フトAM放送をSSBモードでゼロビート受信してみたら・・・・と思いつきました。

さて、実際にやってみると・・・。ふむふむ。AM放送が帯域6khzということを頭に入れれば十分参考になりそうです。
そこで頑張ってサンプルを集めてみました。
まずは音楽を送信している場合のスペクトラムです。基本的にはピーク設定がでていると思われます。LSBモード3khzで受信しています。
nhk_shinyabin_music

ほぼフラットな特性です。バイオリンの楽曲でした。他の番組とかでも数回サンプリングしましたが、音楽を放送する場合はこのようなフラットな特性で送信しているようです。

本題の音声の場合は、音楽と明らかに違った特性になります。

NHKニュース男性1(午前2時)
nhk_news_voice

NHKニュース男性2(お昼)
nhk_news_voice2

NHKニュース 男性3(18時 福井アナウンサー 念のため追加)
nhk_news_voice3

NHKニュース 男性4(19時 念押し、やっぱり同じだぁ)
nhk_news_voice4


NHK天気予報 男性(お昼)
nhk_weather_news

NHK ラジオ深夜便 女性(午前1時)
nhk_shinyabin_woman_voice

全て600hz以下の部分にピークがあります。また、高域が時間帯によって違うチューニングをされているように感じます。人気番組「ラジオ深夜便」の音質は、夜中の3.5メガのラグチューにピッタリと感じているのは僕だけではないと思います。
深夜の場合は意識的にハイカットしているような・・・・。人気番組にはそれなりの工夫があると思いますし、実はラジオ深夜便の中で流される昼間に収録されたトークライブ録音のスペクトラムは昼のニュースと似た高域が少し持ち上がった波形なんですよ。

もう一つの特徴は、SSBを受信したスペクトラムと違って中域~高域がフラットな特性になっていることですが、AM放送をSSBモードの3khzで帯域の一部を切り取っているために、そのように見えます。

スペクトラムでは時間軸の変化がわかりませんので、Logger32のウォーターフォール画面で時間軸のレベル変化もご覧ください。
ウォーターフォールでは画面上から下へ時間経過で画面が移動していきます。この状態で画面上から下まで30秒間のレベル変化が記録されています。
黒はレベルが低く、白はレベルが高くなります。画面上の数字はオーディオ周波数を示しています。
nhk_voice_waterfall
画面左側にブルーの帯がありますが、これは600hz以下の部分が30秒の間、常に高いレベルで送出されていることを示しています。600hzより高い周波数は時間軸でみると、バラバラに時々波形が現れているのが良くご理解いただけると思います。
このような波形になっているのは、間違いなく帯域別にレベル管理をしている証拠だと思います。NHKですからorbanなんか使わずに独自なんでしょうね。民放の場合はOptimod一色のように感じますけど。

夜の3.5メガや7メガの上の方のよさげな変調を同様に分析すると、左側に「帯」らしきものはありますが、帯もボヤケますし右側はもっと明るくなります。
加工しないでNHKと似たような波形になるのはリボンマイクだけ・・・だと思います。リボンマイクが放送業界で愛用された理由は、まさにココにあると思います。


参考までにAMモード 6khzで受信したデータも添付します。

NHKニュース男性1(午前2時)
nhk_am6k_news_voice


NHKニュース男性2(お昼)
nhk_am6k_news_voice2

このように、基本的には右肩下がりの特性です。
また、音作りをしていく上で、人間の耳の特性を理解するため、このスペクトラムをじっくり見てから、いつもの無線機でNHK 第一を受信して、NHKニュースをAM6kとSSB3kで聴き比べをしてみてください。
帯域が変わると音が変わるのは想像できると思いますが、6khzの帯域をフルに使ったAM放送と、上半分を切り捨てたSSB3khzで音声によるAM放送を受信した場合と、どっちがシットリとした声に聞こえるでしょうか?
音は帯域が広い方が良いに決まっていますので、音の善し悪しを聴き比べるのではありません。音楽やBGMが無く、アナウンサーの音声で聴き比べてくださいね。
また、聞き耳を立てるのではなく、リラックスして体全体で声を受け止めるようにしてみてください。その違いの理由をスペクトラムを見ながら考えてみてください。

自分の耳で聴こえた感じと、スペクトラムを比較すると面白いことに気がつくのではないかと思います。そこにSSBでの音作りのコツが一つ隠されていると僕は思います。

違いが判らなくても殆どの方は直感的にやっていることですから、当たり前のことなんですけど、その当たり前のことの理由を理解して、自分の無線機に合わせて「狙って」調整すると、音作りが「暗中模索」から「プランの実行」に近づくと思います。

なお、今回は「受信した音」で説明していますので、間違っても無線機のモニター出力やマイクアンプの出力スペクトラムなどの「送信する音」を同じにすればNHK・・・なんて思わないでくださいね。
それができれば、僕はとっくにNHKになっています(笑)。

今日の格言  「逆もまた真なり」

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コメント

NHK第1放送の音は,中波プリエンファシスが普通になった1980年代半ばから,他の局とは違う特徴がありますね.あまりコンプを効かせ過ぎて潰さないようにやっている感じを受けます.研究の対象としては面白いと思います.

本年もよろしくお願いします.

投稿: Kenji JJ1BDX | 2006年1月 1日 (日曜日) 09時58分

力武さん
明けましておめでとうございます。
NHK第一の他にもTBSや文化放送などもデータを取ってみたのですが、どうも金太郎飴のような感じで、NHK第一のような特徴がありません。音楽も音声も同じような感じなんですよね。
NHKはアナウンサー冥利に尽きるように思います。

投稿: JI1ANI 福井 | 2006年1月 1日 (日曜日) 13時26分

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