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2006年1月11日 (水曜日)

無線用のスピーカー SC-M53

無線用のスピーカーは各社から純正品もでているけど、それ以外の製品を使っている方も多いようです。
今回はHi-Fi再生という観点からDENONのSC-M53を使って見ましたが、コレ良いです。このサイズのスピーカーだと低音は80hz辺りからが普通なんですが、50hz付近からしっかりと出るし、それもボワ~ンじゃなくてブンッて感じでなかなかエネルギッシュです。
中域も問題ありませんし、高い方はCDの上限を超えたところまで伸びる印象です。
したがって、全体的にメリハリがあって解像度が高い印象があるのですが、不思議と聴き疲れしません。
実買価格は12k程度ですから、一本6kと考えると大変お買い得、というよりもデノンさん大丈夫?って心配です。10k~15kの価格帯のスピーカーではBestBuyだと思います。
scm53

といってもそれは音楽を聞いた時の話。無線用としては若干の改造が必要です。

無線用スピーカーとしては5khz程度まで再生できれば十分だと思います。オーディオ用は15khz以上まで再生可能なので無線用に使うとノイズが耳につきやすいために敬遠されているのではないかと思います。

このSC-M53は2wayバスレフでウーハーとツイーターのクロスオーバー周波数は3khzです。そうです。3khzと言えばちょうどSSBの周波数帯域の上限です。
スピーカーのクロスオーバーはDSPフィルターじゃありませんので、6db/oct~12db/oct程度の特性です。3khzでスパッと切れるわけじゃありませんから、ウーハーだけでも3khz以上は右肩下がりでレベルが下がるものの6khz辺りまでは実用範囲と考えていいと思います。

クロスオーバーとして動作するのはツイーターからの音が聞けるからで、ツイーターからの音を遮断すれば、ウーハーだけの3khzのローパスフィルター付きスピーカーとなります。
へへへ、そうですヨ。偶然ではなくてクロスオーバー周波数が3khz近辺のスピーカー狙って選んだのです。
改造は、将来的に普通のオーディオスピーカーとして使うことやインピーダンス、クロスオーバーを活かすことを考慮して、単純にツイーター部分にフタをして音を出なくする・・・という方法にしました。

ツイーター部分にフタとして直径50mm厚さ1mmの銅板をホームセンターで購入。ツイーターのソフトドームは表面から2mm程度出っ張っていますので、そのまま銅板でフタをするとツイーターがフタに当たって凹んで痛みます。
そこで厚さ4mmのゴム板をドーナツ型にカットして銅板に接着して、ゴム板で袴をはかせて高さを稼ぎます。完成したフタをスピーカーボックスのツイーターのところに両面テープで接着して完成です。

みてくれは悪いですが、ネットを装着すると全くわかりません。但し、袴を6mm以上にするとフタがネットに当たってカッコ悪い状態になります。
完成状態はこんな感じ。銅板がブルーなのは保護シールが貼ったままだから。
scm53_futa
このスピーカー、前面投影面積は小さいですが奥行きがありますので、ボックスの容量は見た目以上にあって低域が再生に貢献しているようです。
また、パスレフポート動作制限用のスポンジが付属していますが、スポンジを入れた状態の方が締まった低音になりますので、僕は入れっぱなしです。

また、底面積が大きいためか、机などに置く場合は底面に付属のコルクシールを貼って浮かしただけでは不十分で、簡単で構いませんからスペーサーを入れた方が良いです。10円玉1枚では不足・・・って感じですよ。
写真でわかるようにその上に2台重ねていますが、これはあんまり真似しないでください。僕は基本的には上下両方からモノラル出力していますので上下の差は感じませんが、別々に出力すると音の性格がかなり違ってしまいます。

このスピーカーの前はヤマハのサラウンド用のセンタースピーカーを改造したものを使っていましたが、このSC-M53改の方が無線用としても良い音がします。特に締まりのある低域はHi-Fi SSBに最適。価格面を考えるとSC-M53のC/Pはとても高いと思います。

なお、このSC-M53の紹介には「ヨーロッパのサウンドエンジニアとのコラボレーションから生まれた美しいフォルムのスピーカーシステム」としか書かれていませんが、新開発のユニットの形状やツイーターが下のユニット配置から英国のmissionの元エンジニアが開発に絡んでいるとのウワサです。確かに同社のm3iシリーズとソックリです。

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コメント

○○大魔王東京本部長殿

いや~、驚きました。実は、このスピーカー、先週末に近所の家電量販店に行った際、目を付けていたものだったんです。 大きさが丁度良いんですよね、これ。 全体のカラーコーディネーションもFBだし、来月あたりには....と思っていたところでした。

上記レポートによると、無線用としても十分使えそうですね。 大変参考になりました。 有り難う御座いました。

小魔王より

投稿: JA1BBP 早坂 | 2006年1月11日 (水曜日) 12時36分

本家大魔王さま

価格を考慮すると大変お買い得なスピーカーだと思います。幅14cmのエンクロージャーに12cmのウーハーってところが目の付けどころではないでしょうか?
普通だとエンクロージャーの容量が不足するところですが、さすがデノン、奥行きを取ることでしっかり容量を稼いでいます。
作りはデノンですから、手抜きは見当たりません。
試聴していただくとわかりますが、このスピーカー、従来のスピーカーとは違った鳴り方をします。
性格としてはソフトな当たりなんですけど、解像度が高いという不思議な感覚なんです。
12cmのユニットは一応ウーハーって位置づけなんですが、これがボイスの再生には丁度いい感じなんです。
これがヨーロピアンサウンドなんでしょうかね?マイクに例えるとリボンマイク的と言えば良いのでしょうか?

このスピーカーにしてから、ヘッドホンしなくても音質の細かいところまでわかりますし、50hzまで出ますから、SSBのゼロインがとても簡単になります。
大魔王さまもお気に召されるのではないかと思います。

練馬の支部長より

投稿: JI1ANI 福井 | 2006年1月11日 (水曜日) 22時40分

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