エージング
音響関係の機材を購入すると、すぐに接続して「おお~~~っ!!」なんてやるのが普通だと思います。
でも、オーディオの世界ではエージングと呼ばれる「慣らし運転」が当たり前で、エージング前は「仮評価」、本当の評価は暫く慣らし運転をしてから・・・というのが普通のようです。
よく、スピーカーやアンプの紹介記事では、ファーストインプレッションと慣らし運転後のインプレッションが分けて書いてあることがあります。
普通のスピーカーはポイスコイルのように可動部分がありますので、エージングして当たりを取る必要性があるのも理解できますが、アンプなどにも本当に必要なのか?は、実は自分としては??でした。
昨年、愛用していたマイクプリアンプが故障していたことが判明し、結局新品交換となりました。販売店やメーカーの対応に全く不満はありませんが、このマイクプリアンプ、クラスA増幅で素晴らしく透明感のある音で増幅してくれるのですが、どうも故障が多いように感じています。
発熱もハンパではなく、夏場は本当に「内部の配線の被覆がトロけるのでは?」と心配になるほどです。
しかしながら、歪みの少ない増幅のためにソリッドステート素子に高電圧をかけて、Aクラスですから常時それなりの電流が流れる以上、発熱と音質はバーターと考えるしかありません。
さて、昨年末に届いた新品のマイクプリアンプですが、やはり使い出した直後は以前のような音がでませんでした。「最近の声」でご紹介したとおりです。
あれから一ヶ月、ほぼ毎日1時間以上、休日は10時間近くも通電したわけですけど、半月ほど経った1月中旬ごろから、以前のような微妙な空気感(なんと例えれば良いのでしょうか?)が出るようになってきました。
エージングの時間として100時間が一つの目安としてあるようですが、今回の場合50時間ぐらい経過してから、従来の音が出始めたようです。
当初、回路が故障していたために微妙なエフェクトがかかっていたと考えていましたが、現在では、ほぼ100%以前の状態が再現できています。
(本当は、すごくとっても微妙な部分は、まだ少し違うように感じますが、2台並べて聞き比べできませんのでわかりません。気のせいかも。)
他の方々に聞いても、やはり同じような評価で、年末から設定は変更していないのに「以前の音になった」ということですから、エージング「後」でないと本当の評価はできませんね。
逆に言えば、購入直後に何時間もダミーロードを暖めて「これだ!」という設定を見つけても、エージング後には微妙に音が変わってしまう・・・ということになります。
やはり機材を購入したら、機材のエージングが進むのに併せて、数ヶ月程度かけてゆっくりと設定を煮詰めていかないと、機材のポテンシャルを発揮させられない・・・ということです。
今回はマイクプリアンプだけ変更した場合でしたが、マイクとマイクプリアンプを新調した場合は、両方にエージングが必要でしょうし、以外と盲点ですが無線機もエージングしないと送信・受信音ともに継続的に利用した場合の評価はできません。
(ファーストインプレッションはいつでも、どんな状態でも可能ですけど)
無線機も購入直後と100時間程度通電後では、明らかに音が変わります。AM放送などを聴き比べると容易に評価できます。無線の電波は雑音が多いし、信号強度が変化するので評価が難しいです。
無線機も昔から慣らし運転前後では音質が変化していたと思うのですけど、最近の無線機は音質が良いので、そのような微妙な変化が明確にわかるようになってきた・・・というのが本当のところだと思っています。
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