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2006年2月21日 (火曜日)

IC-7800の受信音質をアップ? その5

CQ誌3月号に「受信オーディオ・クオリティー改善」という記事があって楽しみに読んだけど、受信音質アップのために考えることは大体同じようで、この記事の内容はすでに実施してブログでも報告済み。目新しい情報が無かったのが残念。

CWモニターだけど、記事に紹介されている裏技(?)をやると、受信音にLine出力とSP出力が混ざってしまってしまうのですよねぇ・・・(実験済)。
まぁ、両方合わさって丁度良いという方もいらっしゃるでしょうけど、僕は好きになれませんでした。
PTT連動で入力を切り換える(受信時はLine入力、送信時はSPから入力)ことも考えたけど面倒臭くなってやっていません。

無線機のAF増幅を使わずに外部で増幅する場合は、周波数特性(とS/Nの悪化)に注意が必要です。
次のグラフはIC-7800のスピーカー出力をUB-502に入れて、出力をサウンドカードに入れて周波数特性を計測した結果です。インピーダンス整合していませんので参考値です。
IC7800spout502in

通信機にふさわしい周波数特性ですね。
このカーブ、CQ誌にJA1AEA鈴木さんが書いているTS-130Sハイファイ化改造受信部編にでてくるカーブと似ています。
無線で一般的に聴きやすいのはこんな蒲鉾形の周波数特性なんでしょうね。

さて、次はIC-7800のLine out出力をUB-502に入れて同じ条件で計測したグラフです。
IC7800lineout502in
その3でも計測しましたが、今回は無線機とサウンドカードの間にUB-502を入れているので特性が変わって、低域の変な盛り上がりがありません。デジタル出力と良く似たフラットな特性です。どうやらUB-502が上手にインピーダンスマッチングを取ってくれている(?)ようです。

最後はIC-7800のスピーカー出力をUB-502に入れて、出力をサウンドカードに入れて周波数特性を計測した結果ですが、最初と違ってUB-502のイコライザーを使って低域と高域を補正してフラットな周波数特性に近づけた結果です。
IC7800spout502inEQin
全体的にフラットに近くすることができましたが、高域を補正した代償として10khz付近のノイズレベルが上がってしまいました。
これ、結構耳につきます。特に高感度なHi-Fiヘッドホンだと「シー」って聞こえますのでお勧めできません。
この原因はUB-502のイコライザーが2バンドで80hzと12khzだからで、80hzは良いとして12khzはSSB用としては周波数が高すぎます。やはり3~4khz辺りにピークがあるイコライザーの方が使いやすいと思います。
UB-502を入れる目的が「聴きやすくする」ことであればどんな設定でも構いませんが、忠実度の高い受信音質を求めるのであればイコライザーの使用には注意が必要です。

本当にフラットにするのであれば、やはりグラフィックイコライザーが必要です。16バンドでもいいですけど、CW運用時のオーディオフィルター的に使うことを考えると、ピーク周波数を細かく設定できる31バンドの方がいいです。
でも、グラフィックイコライザーだと特性の変更が面倒です。受信中に音質を調整することを前提にすると2~5バンド程度のパラメトリックイコライザーの方が使いやすいと思いますけど簡単な調整なら最近の無線機に内蔵されているイコライザーで十分だと思います。

お勧めのグライコはPHONICのi7600です。僕も使っていますがカーブをプリセットできますのでCW用、SSB用として色々な設定をプリッセットしておけば呼び出すだけです。
また、グライコ機能とは別にLPF/HPFもあって両方組み合わせてBPFにもなります。僕は送信音質調整用として使っていますが、このプリセット機能、複数のマイクを使う時などにとても便利なんです。
受信音質調整用としてもう一台あるといいな・・・なんて思っていますが・・・・・。

個人的には利便性のSP出力、音質のデジタル出力で甲乙付けがたい状態で困っています。
カードデラックスの出力をそのままオーディオアンプで増幅した音って素晴らしくいいんですけど、UB-502を途中に入れると音質が変化してカードデラックスの良さをスポイルしちゃうのです。
でもやっばりUB-502を入れて手元でボリューム操作ができないと操作性が悪いのです。やっばりPTT連動の入力切り換え+デジタルミキサー(とデジタルイコライザー)かなぁ・・・・。
問題はCWのモニターだけなので、CWキーヤー側のモニターで我慢する・・・ってテもあるんですけどね・・・。当分悩みそうです。

IC-7800の回路図見ていたら、AF増幅ICの手前からAF信号を引っ張り出してオーディオアンプに入れれば「すべて解決」かも知れませんけど・・・・アブナイ、アブナイ・・・回路図は見なかったことにしよう(笑)。

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コメント

>IC-7800の回路図見ていたら、AF増幅ICの手前からAF信号を引っ張り出してオーディオアンプに入れれば「すべて解決」かも知れませんけど・・・・

究極を目指すならば、やはりこれでしょうけど、やっちゃうとワランティーの問題があるし...悩ましいところですね。 とはいえ、実に魅力的な実験です。 ここから取り出した信号を、WE300Bシングル無帰還で聞いたらさぞ、良い音がすると思いますよ。 ひゅ~どろどろどろ~~。 

投稿: JA1BBP 早坂 | 2006年2月21日 (火曜日) 12時43分

早坂さん
300Bお気に入りのようですね。7800の場合はDSPボードでトーンやスケルチ処理をしたAF信号をメインボードで増幅しているんです。
多分、その過程で音質が劣化しているのは間違いないので、300Bを押すのでしたら、やっばり外付けの高級DACの出力を300Bのアンプに入れると良いでしょうねぇ。
澄みきった原音が300Bでまとわりつくようになって・・・・嗚呼。 想像しては駄目です。ダメ。

投稿: JI1ANI 福井 | 2006年2月21日 (火曜日) 22時08分

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