Skype経由で送信すると・・・
最近、時々リモートコントロール局からQRVしている方の声を聞く機会が増えました。言われないと分からない位の音質でQRVされています。
以前から、そのうちリモートコントロールをやってみようと思って、少しずつ準備を進めていますが、PCと無線機を2組用意してLANで接続して、Skype経由で送信して、もう一台の無線機で受信する実験をやってみました。
VoIPソフト(ネット上で音声を流すソフト)は色々な種類がありますが、今回は使い勝手が非常に簡単でファイァーウォールの設定も殆どの場合不要なSkypeを使いました。
実はVoIPソフトの中でもSkypeは機能が豊富で高音質、その代わりにPCにもそれなりの性能を求めます。(性能が低い場合は帯域を狭めたりして自動的に調節します)
リモートコントロールだと、やっぱり「目で見たい」ということになりますが、Skypeはテレビ電話対応ですから、音声と一緒に動画も送信できます。
IC-756Pro2のディスプレイをマルチメーター表示にして動画送信すれば、メーターの触れ具合もモニターできます。
無線機で受信したSkype経由の音はこんな感じで、かなりFBです。Skype経由の音声をIC-756Pro2でダミーロードに送信して、IC-7800で受信した音です。
赤線は音声のピークで、緑は送信中の無音部分(バックグラウンドノイズレベル)です。エキスパンダーでS/Nを上げているためもあってか、受信上のS/Nも40db程度取れていて、とってもFBです。
S/N40dbだと、手元の無線機にアンテナを繋げて59の信号を受信して聞いている状態と全く同じです。
テスト環境は、IC-756Pro2をフルパワー設定でダミーロードに接続して送信し、IC-7800のメーターで大体S9~S)+15db程度になるように7800に-18db程度アッテネーターを入れてあります。
実際に受信した音声はこんな感じです。
IC-756Pro2とサウンドカード間の接続が不味いのか多少ハム音が聞こえますけど、この程度のハム音では実際に無線でQSOする場合には全く気にならない程度だと思います。
もちろん、送信中の無音部分ではIC-756Pro2のパワーメーターは触れませんし、7800のSメーターもS0です。
ハム音は50Hzなので電源系だと思いますが、もしかすると、PCやサウンドカードではなく、無線機かPCとのインターフェースで混入しているのかもしれません。
心配だった遅延ですが、0.2~0.4秒程度ですね。これは回線状態などによっても変わってきますが1秒以上ということはPCのパワーが不足していない限り発生しないようです。
想像以上に音質が良くて、おそらくこの状態でQRVしてもカミングアウトしないかぎりバレないのではないかと思います。
なお、送信音は現在IC-7800に接続している機材をそのまま活かしてSkypeの入力デバイスに入力しています。
ただし高音質なSkypeでも、やはりデータ量を圧縮するコーデックの影響か、Skypeの出力そのままだと少し無機質な感じの音になります。
そこで、IC-756Pro2に入力するSkype経由で受信した音声を秘密兵器(笑)を使って、少しウォームアップするようにしています。
受信音声のファイルを聞く限りでは、僕の狙いは成功したようです。でも、少し柔らかすぎかも・・・。
Skypeはとても巧みに音声処理をしているようです。コネクション方法やルーティング、コーデックに最新の技術を投入していますし、使い勝手も大変良い。
普通に会話していると気がつきませんが、デュープレックスに付き物の側音が殆ど聞こえません。また、シングルトーンのレベルを順次変動させて入れたりして、もう一つのPCでの受信音を聞いていると「なるほどぉ~~」みたいな発見がいくつかありました。
分析結果(大げさ?)のSkypeの特性を活かして音声を伝送すれば、もっと良い音になりそうですが、あんまり凝ると、Skypeがバージョンアップした時にとんでもないことになりそうな気がしましたので、今回は周波数特性しか参考にしませんでした。
Skypeの音声伝送の現在のバージョンには、ある特徴がありますので、これでSkype経由でリモートしている局の信号を直接受信すると、多分気がつく・・・・と思います。
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