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2006年3月 5日 (日曜日)

聞こえ方の違い

UB-502のオペアンプを交換して「聞こえ方が違う・・・」と感じる原因は、再生周波数の上限や下限、歪み、それぞれの周波数毎に於ける入力と出力の相関関係が完全にリニアアンプではない・・・など色々と原因が考えられます。
今回は周波数毎に於ける出力との相関関係に絞って調べてみました。リニアアンプであれば、300hzでも3khzでも10dbとか増幅するわけです。

こういうのは計測するのが一番ですね。下のグラフはUB-502改 Line1(OPA2604*3)のグラフです。赤はピーク、青は平均値です。
ub502_line1

サンプルは平原さんのある曲で、彼女のボーカルがベースの上にのって、ダイナミックレンジが広そうなところを10秒ほど抜き出し、ステレオをモノラルにミックスダウンして使用しました。
慎重にレベルを合せてUB-502 Line2(LineアンプとメインアンプはOPA2604)で同じように測ったものです。
ub502_line2
ソフトの関係で同一グラフにプロットできないので比較がちょっと難しいのですが(どなたかフリーソフトでそういうことできるソフトご存じありませんか?)、Line2の方が全体的に水色グラフが競り上がっていて、赤のグラフとの幅がほんの少し狭くなっています。
また、Line1に比べてLine2は赤いグラフが周波数が高いほど下がっていく傾向があります。5khz以上ではLine1と比較してLine2では赤のピークと青の平均値の幅が狭まっています。

ピークが同じで平均レベルが高くなる・・・ということは、ほんの少しですが圧縮されたような感じで増幅されていることを示しているのではないかと思います。
また、赤のピークが高域で少し下がっていることは、周波数特性として高域が若干弱く聞こえます。

注目していただきたいのはLine1のグラフとLine2のグラフをマクロ的に見た場合の違いです。
Line1のグラフはLine2と比較してピークの値が周波数毎ににかなり上下に振れています。上下の幅はレベルの差、つまり音量の差で、音の強弱となって聞こえます。
音の強弱のレンジが広いとダイナミックに聞こえ、強弱が狭いと平面的に聞こえます。また近接した周波数との差が明確だと音の表情が豊かな感じに聞こえるのではないかな?
この辺りにスルーレートが絡んでくるのでしょうかねぇ?
Line1とLine2は回路も違うし、このテストは厳密な意味でのオペアンプ比較ではありませんが、改造する前にデータ取りませんでしたからね。ごめんなさい。

Line2は交換後50時間程度ですので、落ち着くまでもう少し時間が必要だとは思いますが、やはりオペアンプで音が変わるのはプラシーボ効果ではなく、こんな簡単な計測でも判るように事実です。
ポイントは動的な特性で、スペック表にあるようなサイン波を下から上までスィープさせたようなグラフでは周波数特性しかわかりません。
もちろん、静的な周波数特性は土台なので重要な情報なのですけど、それ以上に動的な特性が重要なんですけど、これサンプルの選び方やテストの条件でどうにでも変わってしまう部分なので「ドロ沼」になるんですねぇ・・・。

ということでオペアンプで音が変わることを「百聞は一見にしかず」という諺通りに確認してみたのでした。
なお、耳でこの違いを聞くと、周波数特性通りLine2の方が音の重心が少し下がって落ち着いて聞こえますが、微妙なニュアンスもその分少なくなるように思います。
どちらが良いというのではなく好みの問題ですけど、女性ボーカルだったら僕は絶対Line1ですわ。

ひゅ~どろどろ。

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