UB-502改造 その1
これまでの記事の流れでご想像いただいように(笑)UB-502の音質アップの計画のために基盤を眺めてみました。
否、UB-502の音質アップというよりも、僕の好みの音への改造です。いくら原音に忠実であっても、自分に取って心地よくない音は「僕にとって」良い音ではありません。
趣味の無線なんですから楽しみ方は人それぞれ、特に受信音質は送信音質と違って聴いている僕以外の誰に迷惑かけるわけでもありません。
とは言うものの、僕にとっての良い音のベースとなる基本的な条件はかなり一般的、そんなに特殊だとは思っていませんけど、こればかりは好みですからねぇ。どんな女性が好みか?と同じことじゃないかなぁ・・・・と思います。
さて、そんな僕が計画するのですから、この改造の結果の音があなたの耳に心地よいか?どうかは判りませんし、僕の改造をそのまま実行してUB-502が火を吹いても僕は責任とれませんので、参考にされる方はご注意ください。
改造を考えた発端はUB-502に音を通すと音の輪郭が甘くなってしまうこと、そしてSSBの受信音の場合は音が重くなってしまう点をなんとかしたい・・・と感じたことです。したがって改造の方向性は「シャッキリ、スッキリ化」です。
これ、イコライザーで高域をブーストする・・・とかではシャリシャリにはできますが、とても補正しきれません。敢えて言えばそれぞれの周波数における増幅時の動的な特性を変えるような感じではないかと思います。
ということで、増幅の主役であるオペアンプに注目しました。UB-502はオペアンプとして全てNJM4580を使っています。統一されているところを見ると大量に使ってコストダウンを行っているのでしょうね。NJM4580はベリンガーの他の製品(ヘッドホンアンプとか・・)にも多用されているようです。
僕のUB-502に使われている4580はチップが正方形の表面実装型のDMPパッケージが殆どで、一つだけ、ヘッドホンアンプとしてSIPパッケージが使われます。データシートによるとDMPパッケージのピンのピッチは1.27mm。これなら老眼の入ってきた目でもなんとかなりそう。
パッケージがSSOPだと0.8mmピッチ以下なのでちょっと半田付けの自信は持てません。きっと蓋を戻して見なかったことにします。
オペアンプ載せ替えが造出来そうなので、パターンを追いかけて回路の当たりを付けたところ、マイクプリアンプ兼用のLine1はマイクプリ4580→ライン別アンプ4580→と増幅された後、他のラインとミックスされて最終的にメインアンプの4580で増幅されて出力されているようです。
つまりオペアンプを3個交換すればLine1はinからoutまで4580を通らず無改造のUB-502とは別物になる・・・ということです。メインのオペアンプは各ライン共通ですから、メインのオペアンプを交換することで、他のラインも音質が向上する効果が期待できそうです。
もちろん、全部交換するのが筋なのかもしれませんが、交換するオペアンプの数が増えるほど作業ミスの確率も高くなりますし、交換するオペアンプによってはオペアンプ代で本体価格を上回る・・・という結果になります。
4580と交換できるオペアンプをネットで検索すると候補が色々とでてきました。NJM4580DD JRC5532DD NE5532 OPA2604 OPA2134 等々・・・基本的には2回路入りオペアンブが候補になります。
ネットで検索してみると、既にヘッドホンアンプなどでオペアンプを交換した方が色々な感想を公開しており、各オペアンプの音の傾向を知ることができます。
不満を解消するためには4580よりスルーレートが高く、より活発でメリハリを持ちつつ音声帯域の音のバランスが良さそうなOPA2604が良いのではないかと思い、OPA2604に狙いを定めました。
OPA2604は1個600円程度とソコソコのお値段です。UB-502のオペアンプを全部2604に交換すると部品代でUB-502の本体購入価格を越えてしまうので、先ずは最小限の3個だけ交換する作戦に決定。
次はDMPに相当するようなパッケージがOPA2604にあるか?です。同じディメンションのパッケージがあれば、配線も不要で載せ替えるだけ。見た目も綺麗で成功率も上がります。OPA2604のデータシートを見るとOPA2604AUというSOIC(D)のパッケージがあります。
NJM4580のDMPパッケージと寸法を比較するとSOICはチップが長方形で正方形のDMPに比べて幅がちょっと狭そうです。でも、基盤のランドは多少余裕を持って長めにパターンが作ってあるのでなんとか載りそう・・・・です。あとは現物合わせしてみないと分かりません。
ということで多分大丈夫だろう・・・と判断して通販でOPA2604AUを6個(予備も含めて)注文したのでした。
つづく・・・。
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コメント
こんにちは。 非常に興味深い内容ですね。以前MX-602の回路図を作っていて途中でやめてしまったことを思い出しました。結果を楽しみにしています。
投稿: JG2IYR | 2006年3月 2日 (木曜日) 08時44分
SOP用のソケットを取り付ければ、色々なOP AMPを差し替えて、音の評価が出来ますね。 ゴットハンドを持つ福井さんなら簡単な作業かと。
...すみません。外野席は黙っていることにします。
投稿: JA1BBP 早坂 | 2006年3月 2日 (木曜日) 12時16分
DIPのOPA2134とOPA134は5年ぐらい前にヘッドホンアンプを作りまくったときに多用しました.カッチリした音のでる良い石です.今もそのヘッドホンアンプ群は現役です(夫婦で使っています).
OPA2604はもうちょっとおとなしい感じかもしれませんが,NJM4580よりは高域は改善されると思います.
73 de Kenji JJ1BDX
投稿: Kenji JJ1BDX | 2006年3月 2日 (木曜日) 13時11分
IYRさん
こんばんわ。新型が発売されるようなのでパワーアップさせることにしました。おっかなビックリで始めたのですけど、音がでて一安心です。
早坂さん
ソケットはチラッと考えたのですけど、そうするとOPAMP収集が始まるのは間違いないので、今回は男らしく一発勝負!することにしました(笑)。
力武さん
OPA2134も候補だったのですけど、初めてなので「高い=良い」みたいな感じで選んでしまいました。音楽聴いていると明らかに良くなりましたし、本来の「シャッキリ・スッキリ化」ができて満足しています。
投稿: JI1ANI 福井 | 2006年3月 2日 (木曜日) 20時14分