ノイズキャンセルのテスト
ノイズキャンセルの技術はどんどん進んでおり、航空機の内部や音楽ホール、そして高級自動車などでも、ノイズキャンセルが応用されて静粛性を高めることが行われつつあるようです。
原理的には音の位相を反転した音を同音量で流すことで、音が打ち消し合う・・・という効果です。
その原理に忠実に、簡単な実験を行ってみました。
無線機で受信したノイズをLchに録音、LchのデータをRchにコピー。これで左右のチャンネルに全く同一の音が記録されました。この完全に同一であることが、キャンセル効果を最大にするポイントです。
次に音楽編集ソフトに付いている位相反転エフェクトを使って、Rchの位相を反転します。そのファイルを再生すると「あ~~~ら不思議」ノイズが全く消えて「無音」になります。
無音のファイルをアップしても意味がありませんので、分かりやすいように後半5秒だけノイズキャンセルしてあります。
あれ?10秒間、ずっとノイズが聞こえる・・・という方、ステレオヘッドホンで聴いていませんか?それだと左右は別々に再生されて耳に聞こえますので、左右の音が合成されませんから、当然打ち消されません。右耳には後半左とは逆位相のノイズ音が聞こえるだけです。
ノイズが減るものの、なんか不十分だ・・・という方、ステレオ再生装置の左右のバランスや周波数特性などが崩れて、左右から全く同じ音がでていません。二つのスピーカーと自分との距離や音量などを調整して聴いてみてください。
これ、中々難しくてノイズは減るものの、多少は残ると思います。ノイズキャンセルが難しいことがご理解いただけると思います。
モノラルで再生した場合は、電気信号の状態でお互いに打ち消し合うので、後半5秒は無音になります。ステレオでノイズが消えない場合は、モノラルで聴いてみてください。もちろんモノラル再生ならばヘッドホンでもノイズはキャンセルされます。
もちろん、バランスは中央・・・ですよ。Lchのみ。Rchのみの再生では当然ながらキャンセルされません。
モノラルのファイルにしてアップすれば、上記のような「?」は発生しませんが、僕もびっくりしたけど、まるで無音録音したように綺麗にノイズが消えるので、今回はワザとステレオにして効果を実感していただくようにしました。
ぜひ、左右のバランスを調整して、レベルが異なるとノイズが消えないことを確認してください。
さて、問題は、どうやって不要なノイズと必要な信号(音声など)を区別するのか?なんですよねぇ・・・。これが一番難しい。
ノイズって同じに聞こえるのですが、実は周波数ごとに微妙にノイズのパターンが異なってしまい、綺麗にキャンセルできません。
実は、この実験前には、昔のコリンズのノイズブランカーのような方法を考えて、ノイズレスの快適運用を想像していましたが、見事にアテがハズレました。
全く同じパターンのノイズが全周波数に出ているのであれば可能性はあると思いますけど、そんなノイズあるのかなぁ・・・。
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コメント
すごいハッキリわかりますね。
切り替わった瞬間左の窓の外からノイズが聞こえてくる感じがしました。二つのスピーカーの間ではなく外側から。微妙にサラウンドもかかってます。w
投稿: JO1KVS | 2007年1月13日 (土曜日) 16時26分
あ、続きの記事読んで解決。
聞く位置でノイズの聞こえ方が変わるんですね。
投稿: JO1KVS | 2007年1月13日 (土曜日) 16時27分