JUMA-TRX2A
OH2NLTとOH7SVが開発を進めているJUMA Kitsが発展して、オールバンドSSB&CWトランシーバーになり、発売されることになりました。
JUMAは最初はTX1とRX1という送受信機がリリースされましたが、その後TRX1となって、今回のTRX2(3.5/7)とTRX2A(HFオールバンド)になっています。
TRX1は3.5/7の2バンドCW&DSB(SSB受信可)5Wのトランシーバーです。TRX2は出力は10WにQROされ、CWとSSBの送受信が可能で、コンパクトで軽量(1.9kg)な仕上がりになっています。
最近は、このようなアマチュア(セミプロ?)のキットはメーカー機にはない特色があって、とても面白いですね。
JUMAはシンプルさとDDSの信頼性、CPUを使った多機能の両立がポイントかな?TRX2のケース内には余裕がありますので、電池を内蔵すればポータブル機としてはかなりのレベルになりそうです。
詳細なスペックを見ると、DDSの2VFOで最小10Hzステップ。受信部はダイレクトコンバージョンのゼネカバ受信でSensitivity: Typical -130 dBm IMD3 dynamic range: Typical range more than 100 dB。送信部はSSB carrier suppression: Typically better than 60 dBとキットとは言え、高性能です。
これなら、ローバンドでの受信も快適だし、リニアアンプを付けてQROしても回りの方の迷惑にはならないでしょう。
回路も今風で、性能の割には部品点数が少なそう。送信フィルターの帯域が2.4Khzとチト狭そうに感じますが、AFフィルターのスカート特性は甘めのようですから、FT-817のセラフィル(オリジナルフィルター)のように、実際には結構広い帯域のように思います。
また受信回路がシンプルなこともあって、サイトにアップされている受信音のサンプルを聴いても、非常にS/Nが良い澄んだ受信音のようです。サンプルは相手の送信音質が今一つですが、相手の送信した音がそのまま聞こえる感じですね。
非常に細かいニュアンスが読み取れそうな、情報量の多い受信音でとても気に入りました。TRX-2で3.5メガで良い音している方をタヌキしたいですねぇ。
サンプルでS/Nが良いのはOHという受信環境のせいかな?東京でもサンプルのような感じで聞こえたら嬉しいのですけど・・・。都市雑音でダメかな?
サンプルの受信音と送信の回路(これまたシンプルな回路)から想像すると、送信音もいい感じではないかと想像しています。
最近のお約束(?)でI/Q信号を取り出せるようになっていますので、PCのサウンドカードに接続してスペアナみたいにして遊べますし、電圧や出力、ファイナルの電流とCPU内蔵で情報表示も多機能です。
キットのお値段は2バンド版が445ユーロ、オールバンド版が565ユーロ。ユーロ高ですからチト悩む価格です。まずは2ハンド版かな?
TRX2Aオールバンド機とK2+SSBオプションを比べると、だいたい同じ程度の価格。実績から言えば断然K2ですけど・・・・、へそ曲がりかもしれませんが、僕はJUMAの方に惹かれます。
でも、それ以上に悩ましいのはキットの部品が表面実装のチップ部品ばかりということかも・・・・(笑)
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コメント
ブロックダイアグラムを見るとマイクアンプの後に300HzのHPFが入っていますね。このままだと福井さんの用途のはちょっと不向き?
フィルタの特性とキャリアポイント調整(可能なのかな?)でどうにか、っていう感じでしょうか。
それにしても、今はRX部もこういう構成で実用的なリグができるんですねぇ。
投稿: JS1KQQ | 2007年11月 1日 (木曜日) 23時24分
うむうむ、、、何とも気になるキットです! 要チェック
投稿: ja1nlx | 2007年11月 2日 (金曜日) 07時38分
KQQさん
旅行に行っており、コメントが遅くなりました。
LPFはオーディオ段ですから、定数を変えれば100Hz辺りにできるのではないかと思います。フィルターの特性は甘めではないかと想像していますが、その分、受信の音はかなり期待できそうに思います。
NLXさん
コメントが遅くなりました。そうですか、Kシリーズ制覇のNLXさんが興味を持たれるのであれば、やはりかなりヨサゲなキットですね。
実は、かなりグラグラしています。キットも含めて無線機は、その昔CB機改造の28メガSSB機以来作っておりません。
20年以上のブランクがあるので、ちょっと不安なんですけどね。
投稿: JI1ANI 福井 | 2007年11月 7日 (水曜日) 23時02分