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2008年2月25日 (月曜日)

ラインアンプの製作

ベイヤーのマイクトランスを使ったマイクアンプをラインレベルまで増幅するラインアンプ基盤が完成しました。
マイクアンプをトランバとすれば、まぁ、リニアアンプみたいなモンですね。

マイクアンプは25dBのゲインがありますので、40dBだと少しゲインが高いのですが、少ないよりも多めで試作して、リボンマイクでも十分なゲインを取れるように調整するつもり。
最終的にはロータリースイッチのアッテネーターにして、ボリュームはなるべく避けようと思います。

ラインアンプ回路はシンプル&音はソコソコ(そりゃ本音は気持ちいい音ですが・・・)をコンセプトに考えました。
マイクプリはモノラルですからシンプルさを追求して、シングルタイプのオペアンプ一発増幅にします。シングルだとクロストークとかは無縁ですし、配線に余裕ができます。
一発増幅だと音が通る素子は減りますが、往々にして高ゲインはS/Nとのバーターになってしまいます。

オペアンプは音のベースを決めてしまいます。マイクプリですからあんまり色が付かない方が良いですし、今回は一発で40dB稼ぐつもりなので色々と悩みました。
最終的には高利得であることを考慮して、最近人気がでてきたナショナルセミコンダクターのLME49710にしました。
THD+N (AV = 1, VOUT = 3VRMS, fIN = 1kHz) RL = 600~2kΩ 0.00003% (typ)
Input Noise Density 2.5nV/√Hz (typ)
Slew Rate ±20V/μs (typ)
Gain Bandwidth Product 55MHz (typ)
そしてCMRR(120dB)と非常に高性能なオペアンプです。

回路は仕様書にでていた2段フラットアンプの1段をそのまま使うことにしました。
Lme49710_flatamp40db
とってもシンプルな回路。7個の部品で完成ッス。

部品点数が少ないので部品は吟味が重要ですが、今回は僕の趣味で思い切り遊ぶことにしました。
オペアンプはソケットにして、他のシングルオペアンプと差し替えて遊べるようにします。実はこれがやりたくて、今回マイクプリを作ろうと思ったのです。

基盤はLME49710用の赤い両面基盤を入手。基盤は一般的なラインアンプ用ですが色々と応用が効く基盤で、今回の回路も穴あけゼロで対応できました。
オペアンプはSOPではなくTO99タイプ。金属ケースに信頼性を感じますね。まぁ、これは・・・気分ですわ。
音は目からも入ってくる・・・ってね。

抵抗はDALEの金属皮膜抵抗を全面採用(だって3個だし)。そのうちビシェイ化するかも。
音質にモロに影響するカップリングコンデンサは入力用にWIMAのフィルムコン、出力用はブラックゲートの電解コンと赤色で揃えました。

狙いは伸びやかな高域と厚みがあって引き締まった低域。赤い基盤に赤いコンデンサ、火の玉パワーでパイルをぶち抜く・・・予定です。
銀色に鈍く光るオペアンプの電源ラインにはお約束の紫色のOSコン、赤く燃える基盤の上でクールにコールバックを確認ってか?(意味不明)。

ついでに流用する電源部の出力平滑コンデンサも手持ちのMUSEでリキャップしましたが、ダイオードをSBDに・・・・は、サスガに我慢しました。
製作は簡単、部品が少ないですからね。早速1回路分を組み上げました。
Lme49710_flatamp_test
まずはオペアンプを挿さずに電源を通して各部の電圧チェック。次にオペアンプを搭載して音出しです。

出力レベルはラインレベルですから、普通のヘッドホンを十分にドライブできます。そこで出力には壊れても良いヘッドホンを接続。

入力にマイクアンプを接続して電源ON・・・・。

「あ~、はろー」と自分の声がヘッドホンからガンガン聞こえました。

音は想像したよりも良かったですが、テストにはPR-40を接続したためか、ゲインが高めです。
音質は一応狙った方向である「太い」音がでてくるようなんですが、仮配線のためハム音があって細かいところはわかりません。
ハム音は配線を触ると変化するので、配線をシールド線に変更したり、アンプ基盤を電源部から距離を取ることで解決すると思います。

ということで、高価な部品を使った基盤がパ~にならず、嬉しいよりも安心した・・・というのが本音。
次は現在のアンバランス出力をバランス出力になるようにバランス変換回路の追加です。

トランスを使うか、それともバランスドライバーを使うかで迷っています。良く見かけるのはオペアンプでバランス変換する回路ですが、オペアンプを2~3個使うため回路が複雑(ラインアンプと比較して・・・・)になります。
ラインアンプが部品7点で出来たので、複雑な回路は今回のコンセプトに反しますので却下!
いや、正確にはたくさんのハンダ付けや多数の部品は却下・・・です(笑)。ですから組むと複雑な回路が1チップに纏まっているのは大歓迎です。

バランスラインドライバーはバランス変換回路を1チップにまとめた素子で、BBのバランスラインドライバーDRV134は内部に3個のオペアンプが内蔵されていて、殆ど外付け部品は不要というスグレモノ。

でも、スグレモノな割りには聞いたことないなぁ・・・・まさか、変な音に変換するんじゃ?(笑)・・・・って調べてみました。
バランスラインドライバーは決して怪しいチップではなく、アノ泣く子も黙るハイエンドオーディオの雄、Lynnさま謹製の数百万円というCDPのバランス出力回路に利用されておりました。
おおっ!Lynnさま御用達!ってことで安心(?)しました。

この二つのバランス変換方法、部品点数もハンダ付けの数も同じようなモンです。大きく違うのはコスト・・・。
せっかくのマイクトランス、終わりもスッキリ、アウトプットトランスでバランス変換というギャンブルをするか、それともバランスドライバーで一度味見して、足りなければバランスドライブでアウトプットトランス入れてみる・・・って手堅い作戦か・・・。

トランス何個も買いたくないしなぁ~。でも一発で決まればとってもシンプルな回路になるけど・・・・。
う~ん。どうすっかなぁ?

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コメント

ほんと、好きなんですね~、この分野。
最も活き活きとしているように感じます。
期待通りの結果になるといいですね。

投稿: JO1KVS | 2008年2月26日 (火曜日) 23時27分

KVSさん
そうですね~。好きですねぇ。少しずつですが、回路定数を計算したりすることになって、やはり作ると勉強になりますね。
とりあえずケースに入れて音がでる・・・ことを最優先して、それから少しずつ改修を加えるようにしたいと思っています。

投稿: JI1ANI/福井 | 2008年2月28日 (木曜日) 12時23分

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