自作マイクプリアンプ 感想
自作したマイクプリは2トランス(in/out)・2FET・2オペアンプ・2カップリングコンデンサー+αって感じになりました。
割と簡単な回路ですが部品を吟味したためか、マイクプリとしてのパフォーマンスについては素晴らしいです。
全体的にVMPに近い感じまで来ています。・・・・というか、自分でモニターしている限りでは、VMPよりも上です。直接回路を触って自分好みにチューニングしていますからね。
まだ、エージングしては部品を変えたりしてチューニングしている最中なんですが、ここまでで色々と感じたこと。
1.自作のマイクプリは音の芯が少しボケる。
VMPを超えることを密かに目標にしていましたが、この点では難しそ うに感じています。ディスクリートのVMPの方が音に芯があるように感じます。
解像度とは違います。表現が難しいのですが、茹ですぎのパスタとアルデンテのパスタの違いに近いような感じです。食べないとわかりません。
どなたか、音の芯の出し方(?)ご存じないですか??
2.カップリングコンデンサーはエフェクター
オーディオアンプを自作している方には当然かも知れませんが、カップリングコンデンサーは容量と種類で音が凄く変わります。
エンハンサーやコンプレッサー、エキサイターみたいと言ったら言い過ぎかな?
評判が良いコンデンサーは、やはり評判が良いだけのことはありますが、自分の好みに合うかどうかは入れてみないと・・・・。
3.オペアンプは安定するのに100時間
基本的には最初の出音から180度変わるようなことは・・・・少ないとは思いますけど、最初の24時間は変わりますねぇ・・・。
LME49710も変わります。他と違って最初の出音に癖が無いので「すんげぇ普通、つまんない・・」と思いがちですが、100時間くらいで突然豹変!「え~感じ」になります。
なんつ~か、音にコクと艶が出るような感じですが、OPA627のような響く感じはありません。表現が難しいのですが、とにかく音がある日、一皮剥けます。
でも、一皮剥ける前に「なんか、平凡だなぁ・・・」って取り替えられてしまうのでは?と余計な心配してしまうほど。
4.トランスは存在感
今回使ったBeyerとLundahlのトランスは音に色が付きやすいようです。また、それを望んで使っているわけですが、トランスの音色は空気感のような感じですので、表現が難しいですね。
多分、音の響き方がほんの少し変わるのだと思いますけどオペアンプやカップリングコンデンサーの音の変化と比較すると非常に控えめです。
5.綺麗な重低音は出せる
自作のマイクプリアンプがVMPに勝っているのは100hz以下の部分。自作のマイクプリは透明感があってキレの良い低音(100hz以下)がでます。
100hz以下は一般的にはローカットしちゃうことも多い周波数ですが、無線用としては非常に大切な部分。
カップリングコンデンサーの容量でカットオフ周波数を決めたりするわけですけど、インピーダンスが高い回路に入れるカップリングコンデンサーは、サイズが物理的にデカイと綺麗な低音がでるように感じています。
同じ0.47uFでも基板用の小型なタイプと真空管用のチューブラータイプではサイズがずいぶんと違いますが、周波数帯域は一緒でも低音の質感がかなり変わるようです。透明感のある重低音を出すためには形が大きなコンデンサーを使う・・・というのがルールです。
6.プライスレス
単純なマイクプリアンプ機能だけの比較なら、一般的に3~7万円程度の価格帯で販売されているマイクプリアンプと同じような音は、今回のようにオペアンプを使って自作すれば数分の1程度のコストで実現できそうです。
もっとも販売されいるマイクプリアンプもこのクラスではオペアンプを使っていることが多いので当然かも。
それにファンタム電源やその他諸々の回路も付加すると、回路が複雑になり音が悪くなるリスクが高くなるのは容易に想像できます。
でも一番のポイントは、自分で作ったマイクプリアンプに対する愛着ですねぇ・・・。多少難があっても、それは可愛いものですし、変調をホメられでもしたら、購入した機材よりも100倍は嬉しいんじゃないかな?(笑)。
| 固定リンク
コメント
完成おめでとうございます。
>どなたか、音の芯の出し方(?)ご存じないですか??
抵抗器に三菱製シャープペンの替え芯(0.9mm)を使ってはどうでしょうか?
(↑思いっきりギャグです(爆)) もとい。
『位相ズレ』なんてのは考えられませんか。 使用しているトランスとか、或いは回路の時定数により相対的に高域の位相が遅れるとか。
本件、『なんとなくピントが合っていない音』なのかなあと理解したものですから、ちょっとコメントしました。 或いは原因が他のところにあり、エージングが進むうち音の芯が出てきたりして....?
>でも一番のポイントは、自分で作ったマイクプリアンプに対する愛着ですねぇ・・・。多少難があっても、それは可愛いものですし、変調をホメられでもしたら...
その気持ちよく分かります。 世界に一台、しかも手塩に掛けた『我が子同然』の作品ですからね。 当方のDMSも同じ思いです。 後は、ぐれずに(?)成長してくれる(エージングが進む)ことを祈りましょう。
投稿: JA1BBP 早坂 | 2008年4月 3日 (木曜日) 13時24分
三菱のHBで試しましたが、チト固めでした。2Bにしたところいい感じの味がでてきたようです・・・・なんて面白そうですね。
「位相」なるほど、その視点は抜けていました。少し部品のデータなどを見て考えてみます。
in/outにトランス使っていますので、ちょっと厄介ですがその辺りが一番怪しいですね。
で、音のピントというか芯なんですが、ここ数日、少しずつ出てきた様な感じです。
色々と手をかけていますので、ちょっと過保護気味。グレないように注意せねば・・・。
投稿: JI1ANI 福井 | 2008年4月 3日 (木曜日) 22時40分
試しにBBEに通してみるってのはどうなんでしょうか。
色がつきすぎてしまうのかな?
投稿: JS1KQQ | 2008年4月 4日 (金曜日) 23時43分
KQQさん
BBEを通してみましたが、芯の方は変わりませんけど、ローとハイは無線用にいい感じで膨らみますよ。
イコライザーのようなドンシャリにはならず、とても自然で、了解度が少しあがる感じです。
投稿: JI1ANI 福井 | 2008年4月 5日 (土曜日) 01時47分