TV受信用変換器を流用した4:1バランの試作

先日入手したFT-817用のオートチューナーZ-817にはリボンフィーダーやロングワイヤーを接続するつもりです。
4:1バランは手持ちのものを使うつもりでしたが、どこかでTVリボンフィーダー用の変換器を改造した方がいらっしゃったのを思い出しました。

実験してみようと思ってジャンク箱を漁ると写真の300Ω:75Ωの変換器が見つかりました。300:75ですから変換比は4:1ということになります。75Ωと50Ωの違いでSWR1.7程度は異なることになりますが・・・・実験してみましょう。

この変換器は300Ωのリボンフィーダーを75Ωにトランスで変換して、上部のネジ端子と写真裏側のFコネクタに分岐して出す構造です。
裏側のFコネクタは出っ張っていて邪魔ですから取り外しました。75Ωの同軸を接続する替わりに50Ωの同軸を取り付けて完成です。

Fコネクタは台座(グランド)にハンダ付けされていましたが、ハンダ吸い取り器でキュポンッってやってペンチで引き抜きました。
改造で一番大変なのが、このFコネクタの取り外しでしたが、折角小さいケースに納まっているんですからFコネクタが飛び出していては台無しですからね。

というわけで15分位で完成しました。


蓋を閉めたところです。

早速MFJ-259Bアンテナアナライザーで周波数特性を測ってみました。200Ωは100Ωのカーボン抵抗を2個直列にして200.8Ωのものをリボンフィーダー端子へ接続しました。

170Mhzから低い周波数へ計測していますが170-19MhzまでSWR1.5で安定していますが、そこからSWRが悪化して14MhzでSWR1.8、10Mhz2.4、7Mhz3.5、3.5Mhz8.4、1.8Mhz13.1です。
ローバンドではSWRが良くないですね。コアの材質が高い周波数用(テレビ用ですからね)なんでしょう。14メガ以上なら充分に使える感じです。
試しに300Ωや400Ωでも計測してみましたが、18メガ以上なら200Ωと大差なくSWR2以下に納まっていました。

でもSWRの底が1.5ってのはチト悪いなぁ・・・。75Ω用を50Ωで利用しているのですから仕方ありませんね。1.7程度でも文句は言えません。
しかしテレビ受信用とはいえ、20～170メガ(多分700メガ辺りまで)までフラットな特性には驚きですね。それにZ-817でマッチングしちゃうから細かいSWRはあんまり関係ありません。

あとはパワー入れてどうなるか?ですね。こればっかりは実験してみないと・・・。生憎手持ちの抵抗が1/4Wなんで200Ω5Wの終端抵抗を作るのはチト面倒。
数メートルのビニール線を接続してロングワイヤーで室内実験してみましたが1.8～50Mhzまでチューニングできました。
飛びの方は度外視して3m程度のワイヤーで1.8メガまでチューニングが取れたのには驚きました。Z-817の整合範囲、かなり広そうです。

バランを触って温度を確認しましたが、21メガ以上ならSSB 2.5W程度で運用できそうですが、連続キャリアでは1W程度と思った方が良さそうです。
7メガでは損失が大きくて5Wキャリアだと5秒程度でコアが熱くなります。
やはりSWR1.5程度の範囲である21メガ以上と考えた方が良さそうですが、その辺りに転がっているジャンクの再利用ですのでこんなモンでしょう。

今回の試作でフィルムケースに納まるサイズでZ-817用の4:1バランが作れそうな感触を得ました。そのうちハイパワー(?)仕様を作りたいと思います。
旅先での運用に同軸ケーブルを持っていくと重たいので、できれば300Ωのリボンフィーダーを使いたいのです。
それに4:1バランがあればロングワイヤーと釣り竿という選択肢も増えますからね。