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2009年1月11日 (日曜日)

4:1小型バランの製作 その3

コアに密着して巻くためにはパッチンコアの外側のプラスチックが邪魔です。外して中身のコアを取り出し、接着剤でチクワの形にしました。
フェライトが剥き出しですので、セロテープで養生したのが下の写真です。
41_balun_zcat1518core
前回試作した赤い被覆線をそのまま使い、上のコアに同じ回数巻いてみます。外側のプラスチックケースが無くなった分、特性が良くなる筈です。
ところが同じ巻き数だとSWR1.0だったHFがSWR1.1へ50メガでもSWR2.2へとSWRが悪くなってしまいました。

ふむ・・・・。

コアに密着したことでインダクタンスが増えることが想像されますので、巻き数を減らしてみることにしました。
8回巻から巻き数を減らしつつSWRを測定していくと・・・・6回巻が一番特性が良くなりましたがHFでSWR1.1、50メガでSWR1.5とHFでSWR1.0の試作品以下レベル。
巻き数が減ったもののこの結果では不本意です。

そこで0.2mmのエナメル線2本を軽くツイストして巻いてみました。巻き数を調整すると5回巻で素晴らしい特性になりました。
Freq.   1.8    2  --- 40   60   76   91   100(Mhz)
SWR    1.1  1.0      1.1  1.2  1.3   1.4   1.5
1.8~40MhzまでSWR1.1以下です。バランとしては素晴らしいのですが0.2mmのエナメル線ではすぐに断線しそうで強度の点で不安です。
そこで0.2mmを4本ツイストして2本ペアにして強度を出すように巻いて試したのですが0.2mm2本ツイストとは似つかない改悪となりボツ。

うーん。難しいものです。

バイファイラのバランは、巻き方でできるインダクタンスとキャパシタンスが一定の比率のときに良い特性になるような感じです。

4本ツイストの2本ペアではキャパシティが大きすぎるのかもしれません。じゃぁ被覆線のパラレルにすれば被覆の厚みで銅線の間隔が拡がってツイストよりもキャパシタンスが減るよなぁ・・・・・考えても結果はわかりませんので被覆線をパラにしてコアに6回巻いてみました。
41_balun_test2
結果は大成功。0.2mmのエナメル線ツイストには及びませんが被覆線ではベストの周波数特性となりました。1.8~18MhzまでSWR1.1以下です。
Freq.   1.8    5 --- 18   39   59   75   86(Mhz)
SWR    1.1  1.0     1.1  1.2  1.3   1.4  1.5

あと一息・・・って感じになってきました。そこでコアと巻線を密着させるためにヒシチューブで全体を固定してみることにしました。
41_balun_test3
見た目もなんとなーく精悍な感じ(?)になっていますね。ふふふ。特性も更に良くなって1.8~22MhzまでSWR1.1以下ですsign03
Freq.  1.8    4  ---  22   43   66   79   95(Mhz)   
SWR   1.1  1.0      1.1  1.2  1.3   1.4  1.5

このバランが活躍しそうな7~21メガでは満足できるレベルになりましたし、50メガでのSWRは1.2と僅かに0.2mmのツイスト巻のSWR1.1に及びませんが、イザということには50メガでも使うことができそうです。

今から思えば、赤い電線のツイストは縒りが強すぎたのではないかと反省しています。緩く縒った状態であれば最終的なものと似たような特性になったのではないかと推測しています。
実はFT-817は周波数拡大と緩んでしまったマイクジャックの交換のため現在入院中。戻ってきたら耐電力実験を行ってみるつもりです。
耐電力で問題がなければ、小さいプラケースに納めて指先程度のコアを使った小型4:1バランの完成です。

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コメント

久しぶりにお邪魔します。
「コアを接着剤で..」というくだりが気になりました..分割コアの接触面の平面性・圧着具合で性能が大きく違ってくるという話を聞いたことがあります。
接着剤を用いないで、ヒシチューブで圧着することは難しいでしょうか..?

投稿: ja2kcy/松 | 2009年1月11日 (日曜日) 08時44分

松さん
コアの接着はなるべく接着剤を薄く塗布していますが、ヒシチューブで圧着することもできると思います。
ただヒシチューブの厚みが問題になると思います。僕が仕上げに使ったヒシチューブだとバランの特性に影響がありそうです。
バランを巻くのは分割状態だと半分は良いのですが、もう半分は綺麗に巻くのは難しいです。

セロテープでコアを固定してバランを作成、念のため最後にヒシチューブで全体を固定・・・って感じだと良いかも。

投稿: JI1ANI 福井 | 2009年1月11日 (日曜日) 09時10分

接触面に僅かなホコリがあるだけで性能が発揮できないそうなので、アルコール等で清拭し(分子段階?で強く圧接されるイメージで)使うのが本来の使用法だと以前伺ったことがあります。

投稿: ja2kcy/松 | 2009年1月11日 (日曜日) 12時36分

松さん
なるほど。分割コア、なかなかシビアなんですね。パッチンコアですと、確かに異物を挟んでしまうと効果がガックリ落ちてしまうことを経験しています。
分割コアを使う場合にはその辺りの劣化も折り込んで使う必要がありますね。

投稿: JI1ANI 福井 | 2009年1月11日 (日曜日) 16時56分

 熱心な実験、とても参考になり感謝しています。
 なるほど、なかなか絶妙な世界ですね。
 うまく出来た作品、量産して、ハムフェアで売りましょう!

投稿: JO1KVS | 2009年1月11日 (日曜日) 19時17分

要はトランスの鉄心と同じなので、コアを一周するようにループ電流が流れないと性能が発揮されないと思います。>フェライトコア
高周波なのでキャパシタンスを介して伝導するのでしょうが、できれば接着剤を塗布せず、ヒシチューブみたいなもので圧着するイメージでコアを合わせた方が良いのではないでしょうか。
# パッチンコアは、まさにそうなってますよね。

投稿: JS1KQQ | 2009年1月11日 (日曜日) 22時10分

松さん、KQQさん
コアを接着剤を使わずセロテープで固定して試作してみました。電線が足りず5回巻となりましたが、バランとしての特性は接着コアの5回巻と殆ど変わりませんでした。
コアの接着はサラサラの接着剤であるアロンアルファを使ってCチャネルで接着剤があんまり厚くならないように気をつけたのが良かったのではないかと思います。
やはり電線と巻き方の方が特性に与える影響の方が大きいです。
とは言うものの最初から円形のコアが入手できれば、それにこしたことはありませんね。

投稿: JI1ANI 福井 | 2009年1月11日 (日曜日) 23時17分

記事を拝見しました。
パッチンコアでバランを作ってみたいのですが、結線方法を教えてください。

投稿: 吉田 | 2012年2月12日 (日曜日) 21時35分

吉田さん
「4:1バラン」というキーワードで検索してみてください。僕はこの説明書の4:1バランの作り方を参考にしました。
http://www.na.rim.or.jp/~ja3haw/NO58B.PDF

投稿: JI1ANI / 福井 | 2012年2月12日 (日曜日) 22時00分

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