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2009年3月12日 (木曜日)

ラダー型クリスタルフィルターの製作

入手したOCXO NDK 9140A-CEE70の出力はTTLです。基準信号としてIC-7800へ接続するには正弦波に変えてあげる必要があります。
それにTTL出力だと高調波が多くでていますので、高い周波数の校正には便利ですが、基準信号としては高調波はなるべく減らしたいところです。

調べてみると、OCXOのTTL出力にクリスタルフィルターを入れることで、正弦波化と高調波対策が行なえるようです。
皆さんフィルターはラダー型クリスタルフィルターを使っているようですので、僕も挑戦してみることにしました。

10Mhzの水晶発振子は10個ほど安価に入手したものを使います。まずは発振周波数を調べてみることにしました。
JG3ADQさんのページにある「発振周波数チェッカー」を作って、発振周波数を調べてみました。
Xtal_osc_checker
調べた結果はこんな感じで低い周波数と高い周波数で261Hzの中に収まっていて、想像以上にバラツキが少ない。
今回の用途ならどの組み合わせでも大丈夫そう・・・です。

今回は3個使って3段フィルターにしようと思いましたが、発振子が余ってもったいないし、フィルターのピークは10000Khzから数Khzズレたところになって、少しズレたところで使うことになりそうなので、JA4LAOさんのページで紹介されているinとoutの両端の水晶発振子をパラ接続する方法を試して少しでもロスを減らすことにしました。
下記の表の水色の3個に加えて、その上下の2個をパラ用として合計5個使った3段フィルターです。

No.     Khz             周波数差
8       9998.885       
7       9998.890        0.005
2       9998.977        0.087
6       9998.991        0.014
5       9999.023        0.032
3       9999.033        0.010
10      9999.047        0.014
1       9999.056        0.009
9       9999.111        0.055
4       9999.146        0.035

入出力のインピーダンスは手持ちの抵抗を組み合わせて合わせることにしました。
できあがったラダーフィルターはこんな感じになりました。基盤が小さすぎて水晶発振子がはみ出して見えますが・・・

これ、組み立ててから基盤を小さくするために折ったら、狙ったところよりも内側で折れてしまった・・・・トホホ。
折る時に「もしかすると・・・」とは思ったのですが、やはりマズかった・・・。せめてカッターでキズつけて、ニッパでパチンとやるべきでした。
Xtalfilter_10mhz
でも、動作には問題ありません。もう一列内側で折れてたら水晶発振子2個が空中配線になるところでした。

OCXOの出力をラダーフィルターに接続、フィルターの出力をアッテネーター経由でIC-7800のアンテナ端子に接続して、信号が強くなるようにトリマを調整しました。
信号強度は同じ方法で計測したLPRO-101(+7dBm)がS9+55dBで、今回のラダーフィルターの出力は約S9+53dB程度で約2dB落ち。
つ~ことは、ラダーフィルター通過後で+4~5dBm程度の出力。
高調波は20~60Mhzで最大でもS4程度と-65dB以上減衰させることができています。

試しにIC-7800の外部基準信号へ接続して、SETモードのACCメニューでREF IN/OUTをOFF(内蔵OCXO)からIN(外部入力)へ切り換えてみると・・・・
ドキドキしたわりには普通に受信・送信できました

ずっと電源を入れて温めておく必要がありますが、少し使ってみて問題がなれば、低リップル・低雑音の電源を作り、シールドケースに入れて9140A-CEE70の低位相雑音の実力を引き出したいと思います。

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