Radix RY-62Vの改造
ラディックスRY-62Vは垂直のマストに取り付けて普通に使うことと、今回のようにベランダから突き出すように使う両方ができるようにマウントが考えられています。
形状からブームの前方に重心がくるため、マストの前方にクロスマウントを取り付けるようになっています。
この位置だと常にアンテナ全体の加重の中心をクロスマウントで受けるようになっていて、構造的には安定するんですが、ベランダから突き出す場合はブームの長さ分、突き出しマストの長さをロスすることになります。
今僕のところで突き出しマストに使っているのは0.92m32Φのステンレスパイプです。
そこで構造的には不安定になるのですけど、ブームのリフレクター寄りにクロスマウントを移動させて、突き出し長を50cm程度稼ぐように改造してみました。
写真を見ても????かもしれませんけど、つまりブームにクロスマウント固定用ボルト穴を開けて、クロスマウントをブーム後方の反射器寄りに移動しただけです。
このような使い方の常ですが、マストもブームも垂れ下がりがあります。そこでアンテナブームへのクロスマウント固定用ボルト穴は、ブーム先端が多少持ち上がるように角度を付けています。
横からみると、最終的にアンテナはほぼ水平になっています。角度付けないと、少し下を向きます。
ただ、ごらんのようにブームが少し細めですので、構造的な重心にクロスマウントを取り付けなかった影響がでるかもしれません・・・・。最悪ブームの折損とか。自己責任ですね。
フィールドデーに参加している局をワッチしたり、呼んだりしていますが、相手のアンテナが水平系なら、こちらも水平系ですからメリットがいいです。
言い方が難しいですが、信号が濃くなるというか、腰が入るというか、信号強度とは別に聞き取りやすくなります。
水平系のアンテナを使っている複数の局から、MK-3と比較して信号が多少弱くなったけど、前よりも聞き取りやすくなったとのレポートをいただきました。もちろん、信号自体強くなったケースも多いですよ。
MK-3はその構造から水平偏波成分と垂直偏波成分、両方(もしくは、電界成分と磁界成分)が輻射されているようです。
私が交信する固定局はほとんどが水平系のアンテナですので、MK-3のように輻射電力が分割されるよりも、100%水平偏波のRY-62Vの方が相性が良い・・・・ということなのでしょう。
感覚的な評価で申し訳ありませんが、「1階」のベランダ設置の場合・・・・
MK-3(満遍なく聞こえるが弱め)
自宅の反対側などと交信することができ、無指向性(水平設置)のスクエアローのように使うことができる。
設置状況からは驚くほど遠方とQSOできる。
全体的に信号は弱めだが、粘り強く聞こえる。相手のアンテナが水平でも垂直でもあまり関係がない。思わぬ反射波でとんでもないところが聞こえる。
過酷な設置状況でもマッチングが取れる。アンテナ全体をベランダ「内」に設置可能。
RY-62V(聞こえるところはガツンと聞こえる)
ビーム方向にキチンとビームがでる。2エレとしてはビームパターンは綺麗な感じ(ベランダだともっと半円形でもいい)。
ビーム方向はMK-3よりもS1~8程度改善する(ゲインがあるので当然)。その分、サイドが切れます。垂直偏波が苦手で、モービル局は殆ど聞こえない。
聞こえる範囲は基本的にビーム方向になるが、ビーム方向に建物があると、その反射で結構いろいろな方向が聞こえる。
反射で聞こえる範囲はMK-3と比べて減った感じ、でも聞こえる場合は信号が強くてS9+で聞こえる場合が多い。
ベランダや壁から数十cm程度反射器が離れた状態でマッチングが取れ、アンテナの一部がベランダ内でも設置可能。
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コメント
最近このアンテナ買いました。
だからあのマウントの穴は真四角に開いていたんですね。
なるほど~~と思いました。
投稿: JO1KVS | 2012年9月12日 (水曜日) 14時48分
はい。正方形で??って思いますが、ベランダ設置などを前提に良く工夫されているマウントだと思います。
投稿: JI1ANI / 福井 | 2012年9月12日 (水曜日) 19時52分