10Mhz基準周波数発振器の周波数微調整 その2
前回の記事を書いた時には調整用に蓋を開けたママの状態だったのですが、誤差もそれほどではないのようなので、記事を書いた後にフタを閉めようと思いましたが、周波数変動は室温と連動していることに気づきました。
OCXOには幾つか穴が開いたままになっていたので、ビニールテープで目張りして、発泡ビニール製の保温シートでOCXOの底を除いた部分を包みました。
これで大幅にズレるようであれば、簡単に元に戻せます。
本来電源を落として作業するんですが、一度電源を落とすと安定するまで数日は必要なので、通電したまま作業しちゃいました。
その後三日程通電していますが、Sメーターふらふら法による計測では10MHzルビジウム発振器との誤差は0.024Hz~0.032Hzとなりました。
周波数変動幅は0.008Hz/dayと前回計測よりも少し大きくなっています。
なんか、工夫の効果は無いどころが逆だったりして・・・・
前回はOCXOのトリマコンデンサーで周波数を調整したのですが、トリマは長期間触っていない状態で、回して調整すると、トリマの位置が変化することで、色々な部分にごく微小な機械的なストレスが発生し、結果として調整した状態から落ち着くまで微妙に容量が変化するようです。
つまり、トリマコンデンサーを調整したら三日間は様子を見て、その後計測・・・という殆ど一週間計画になります。
調整後から3日程度経過して、もう一度計測すると発泡ビニールで包んだのが良かったのか、ルビジウム発振器との誤差は最大で0.032Hzに収まっているようです。
まぁ、蓋を開けたり、閉めたりするだけで周波数が変動する・・・ってのは、他の方の記事なんかで読んでいたのですが、ほんと結構変動しますね。
0.1Hz単位では安定していても、その一桁下では動くようです。
10Mhzで1ppmは10Hzですから、0.01Hzの単位は0.001ppmです。10Mhzに対して誤差は0.003ppmです。
IC-7800の周波数の安定度は+-0.05ppmで最大で0.25Hzのズレとなりますが、7800の周波数調整が約0.5Hzステップになっているためにこのような表現になっているようです。
7800内蔵のOCXOの周波数安定度そのものは簡単な計測ですが、恐らく1×10E-8/day程度だと推測されます。
さて、計測の結果、製作したOCXOの周波数安定度は+-0.0045Hz/day(4.5×10E-9/day)程度となります。上出来かな?
問題はOCXOの周波数自体が0.03Hz程度ズレていることですが、トリマで再調整するとドカンとズレそうです。
OCXOの発振周波数が10,000,000.03Hzか、9,999,999.97Hzのどちらかとわかったので、このあたりでひとまず終了とします。
本来はもう一桁合わせたいですねぇ。気合が入ったから・・・・再挑戦かな?
一週間前からルビジウム発振器を温めたり、OCXOも電源を切ってフタを開けて、再度電源入れて一週間程度してから作業・・・・と、発振器の調整はしかかり時間が長いので・・・・・。
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コメント
福井さん、こん○○は、
OCXOの調整は私も苦労していますが、所詮セシウム並みの精度が維持できる筈も無く、ほどほどのところで止めています。
私の調整法は、オシロスコープを使ってセシウムとOCXOの出力をXYに入れてリサジュを描かせています。
デジタルカウンタでの誤差測定では、1/100Hz単位の測定を短時間で行うのは面倒です。
アナログ画面でリサジュが止まるように合わせています。
誤差は、リサジュが1回転する時間から逆算すれば出てきます。
これには、時間がかかりますけどね。
セシウム同士でリサジュを描かせたことがありますが、流石に何日経ってもリサジュは動くことがありませんでした。HI
職場にセシウムが何台もあるから出来る、贅沢なお遊びです。
(セシウムはHP製(今はSYMMETRICOM)の5071Aです。)
投稿: JD1BMM | 2009年11月10日 (火曜日) 03時08分
BMMさん
こんばんわ。
セシウムが何台も・・・・
すばらしい環境ですねぇ・・・。周波数精度なんて1Hzが最小単位だったのですが、気になりだすとキリがなくなりますね。
でもLC発振なんかで遊んだ頃からすると、凄い精度になっています・・・。
投稿: JI1ANI/福井 | 2009年11月14日 (土曜日) 01時36分