Full Music 6SN7
真空管で6SN7といえばGT管で、6SL7と並んで非常に良く使われる定番の双三極管です。真空管メーカーなら必ずこの真空管は製造している・・・みたいな感じでしょうかね。
MT管なら6SN7→12AU7/6SL7→12AX7に相当します。
真空管の根強い需要に応えて、他にも現行生産中の真空管があります。中国では今後の真空管需要を見込んで、新しく真空管メーカーを立ち上げて生産を開始している例があります。
このFull musicもそんなメーカーです。真空管の製造技術に関してはNECで真空管製造に携わっていた方の技術指導を受けているようですから、技術は確かでしょう。
ST管のような外見ですが、中身はGT管の6SN7です。中国では富裕層が高級オーディオ製品を求めており、立派な真空管アンプは高い需要があるようです。
※立派な真空管アンプ→MT管じゃなくて、デカイ真空管って意味
最近の真空管アンプは真空管を眺めることも一つの要素ですから、音に加えて、見た目も美しい真空管に人気があります。
6SN7は性能面ではお墨付きですから、外見も筋肉質なGT管よりも雰囲気のあるST管的に外見にしたのでしょう。
見た目のインパクトはあるのですけど、肝心の音質はどうなんでしょう?国内ではあまり流通されていませんし、ユーザーの評判も聞きません・・・・。
実は6SN7は中古球しか持っておらず、作ったアンプを新品で試して見たかったのです。
アンプはマイクプリアンプですから、モノラル。一本あれば足りるし・・・・・ってことで、価格的にメリットがあるe-bayで「ポチッ」としました。
旧正月に注文したので、手元に届くまで3週間かかってしまいました。
実際の中身は上のように、真空管にメーカー名と真空管の型名が金文字でプリントされています。
赤文字よりもず~~~~っと上品。金メッキのピン、ゴールドのハカマに金文字で、ド派手にみえますけど、現物では質感がでています。
さっそく手持ちのアンプに差して、スイッチオン。
でもゲインは低いし、音質的にも・・・・・・「げぇっ!!! ハズした????」って思いました。
でも、もしかして・・・・・・って望みを持って一晩エージング。
実際には約24時間エージングしてみました。翌日、願うような気持ちでヘッドホンで音質をもニターしてみると・・・
「うわぁ、昨日とは別もんじゃんかぁ」
ってくらいに変身。
手持ちの6SN7及び同等品の真空管の中では僕が一番好きな音質です。
Full musicの6SN7の音質はとても明るくて華やか、春の日溜まりのような雰囲気なんです。広帯域で繊細、マッシブではないけど、芯がある音がします。
またノイズが少ない気がします。測定したわけではありませんけど、この真空管に交換すると、なんか暗騒音が一段下がるような・・・耳にかかる圧力が低くなるような気がします。
この球は微妙な付帯音がある一定の響きをもって聞こえるように感じます。もしかしてこれがNECかなぁ・・・・なんとなーく、この部分は手持ちのNECの真空管と似てる気がする・・・。プラシポかもしれませんが・・・
フルミュージックの6SN7はできたての新品で、NECの真空管製造技術の流れをもつ特別製の6SN7として価格相応の音質を持っていると思いました。
普通の6SN7の価格と音質のコストパフォーマンスを考慮すると、僕ならフルミュージックの6SN7を選択します。
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コメント
はじめまして
300Bシングルアンプに、6SN7使用中です。
この互換球、とても興味のある内容です。
OMさん達はCHINA製は使うなとおっしゃいますが、個人の好みの世界ですしロシアでも、気にしません。
今後のご活躍、期待しています。
投稿: JE6OZE | 2016年5月29日 (日曜日) 05時43分
OZEさん
中華製はやはり品質(耐久性)が心配ですよね。6SN7あたりならそれほど高額でもありませんし、そんなに神経質になる必要は感じません。
今のところ問題は感じませんが、こればかりは10年20年と経過してみないとなんとも言えないと思います。
ただ、50年以上も前のビンテージ球を考えると、新品の中華球とリスクは同じレベルではないかと思います(笑)。
投稿: JI1ANI/福井 | 2016年5月29日 (日曜日) 12時28分