デュープレクサーとSWR
HFとV/UHFのアンテナを上げている方はデュープレクサー(トリプレクサー)を使っている場合は多いのではないでしょうか?
僕もHFと50メガを一本の同軸で給電している関係でデュープレクサーのお世話になっています。
以前430メガでコネクターとデュープレクサーで結構減衰することを経験しましたが、どちらかといえば数が多いコネクターが支配的でデュープレクサーはスペック通りの減衰でした。
デュープレクサーの場合、原理的に0.3~0.6dB程度の減衰は当然でしょう。
ということでデュープレクサー経由での50メガって、コネクター分程度しか減衰しないと思っていました。
ところがS2くらい減衰したんです
突き出しV型ダイポールをバンザイ型にしたら、予想通り建物の影響を受けてSWRが3近くまで悪化しました。これは想像通り。
でも受信も送信も非常に大きな影響がでて、どちらも-10dBって感じなんです。
SWR3近くですから送信側は理解できますが、受信でもソコまで変化するの??
デュープレクサーが故障したかな?と思って同軸切り替え器にしたら、受信に関してはだいぶ良くなった感じ。やっぱりデュープレクサーの故障かァ・・・・
もう10年以上使ってきましたからねぇ。
受信はマトモになったものの、送信はSWR3近いのでどうしようもありません。そこで先日の記事のようにヘアピンマッチにしたわけです。
ヘアピンマッチにしてからも同軸切り替え器で数日間運用したのですけど、いちいちベランダまで行って切り替えるの面倒です。
ダメ元でもう一度デュープレクサーに戻してみました。
んん??
全然調子いいです。
取り外す前のアッテネーター入れたような状態ではなく、受信時の減衰みたいなのは感じません。同軸切り替え器と遜色ありません。
デュープレクサーを調べてみましたが、接触不良でも同軸の半断線でもありませんでした。
いろいろと理由を考えてみましたが、思い当たる理由は一つ。50メガのアンテナのSWRが3近かったことです。
デュープレクサーはLCフィルター(ローパス・ハイパス)の組み合わせでできています。LCフィルターの設計にはインピーダンスが重要なパラメーターとして存在しますので、SWRが高い、つまりインピーダンスが50Ωから外れるとカットオフの周波数がズレてしまうのではないか??
(カットオフの周波数というよりもフィルターの特性って言えばいいのかな?)
今回はHFと50メガのデュープレクサーで発生しています。~30MhzのLPFと50Mhz~のHPFの組み合わせだと思いますが、144/430のデュープレクサーやHF~50/144~430のデュープレクサーに比べて20Mhzの周波数差でアイソレーションする条件はLCフィルターには結構厳しいハズ。
50メガのアンテナはヘアピンマッチのお蔭でSWRはベタ落ちになりましたので、結果オーライでしたが、SWRが高いアンテナにデュープレクサーを接続した場合、今回僕が経験したようなことが発生する可能性があるのではないかと思います。
デュープレクサーを「減衰が大きくて使えない」という方をときどき見かけますが、もしかしたら・・・・って思います。
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