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2011年6月 4日 (土曜日)

YAHAアンプと定電流ダイオード

ここ数年で手軽に真空管の音を楽しめるため、すっかり定着した感のあるYAHAアンプですが、みなさんの中でも製作した方は結構多いのではないかと思います。
無線でもCWの音をYAHAアンプを通して聴くと「とても聞きやすい音」になると評判です。

自分でもモニターしてみましたが、真空管の少し音が尾を引くような、ファッと広がりがあるようなところがCWと相性が良いように感じています。

YAHAアンプの回路は非常に単純ですので、音に関して支配的なのはオペアンプ>真空管>各受動素子ではないかと感じています。
出力インピーダンス変換にオペアンプを使っているので、結構オペアンプの音がしちゃいます。まぁ、トランスにしたところでトランスの種類で音が違うので、ここは割り切りでしょうね。
オペアンプもLT1115(1回路だから2個使う)やLEM49720あたりの色付けの少ないオペアンプを選べばいいわけです。

受動素子も選択で音が微妙に変わりますが、カップリングコンデンサーはかなり音に影響します。
YAHAアンプの中で抵抗はほとんど注目されませんが、発想を変えると別の素子で代替できる抵抗があります。
それはプレート抵抗です。
Photo
プレート抵抗は真空管のプレートにかかる電圧を調整する役目で、特に交流信号を通す必要はありません。
なんて書きましたが、厳密には真空管はプレートの電圧と電流を決めることで真空管の動作点を決めるわけです。設計とかでロードラインとかでてきますよね?

電流を一定に制限する素子が真空管が現役を退いた後に開発され、最近使われるようになった定電流ダイオードです。
したがって定電流ダイオードは真空管回路ではあんまり使われていません。真空管全盛期には素子が存在せず、定電流回路では大がかりになったためと推測しています。

んじゃぁ、プレート抵抗を定電流ダイオードに置き換えて、プレート電流を一定にして、ロードラインをナナメじゃなくて水平線にしてみたら・・・・と誰しも考えるようで、YAHAアンプのプレート抵抗を定電流ダイオードに置き換えている例があります。
ただ、残念ながら音質面に言及している例は殆どありません。
僕も昨年から色々と実験してみましたが、プレート抵抗を定電流ダイオードにすることでYAHAアンプは「かなり」音が変わることがわかりました。

プレート抵抗の定電流ダイオード化による音質の変化ですが、音がタイトで締りのある音質になります。かなり大きく変わります。激変かな??

特に数百㎐以下で顕著です。ちょっと緩めだった低域が締まった音質になり、50㎐以下の音でも高い解像度で聞こえるようになります。
ヘッドホンのダイヤフラムがフワフワ動くいていた状態から、右・左・右・左と制動が効いてる感じで動いているような感じです。
低域で顕著に感じますが、全周波数帯域でおなじような効果があるため、音の解像度があがります。

音質以外の効果はゲインです。プレート抵抗を定電流ダイオードに置き換えると数dB~5dB程度ゲインがあがります。
YAHAアンプでは特に問題になりませんが、多段増幅回路ではゲイン配分が変わっちゃいますので注意が必要ですね。

定電流ダイオード化はプレート抵抗の抵抗値とB+の電圧から電流を計算します。その電流と同じ定電流ダイオードとプレート抵抗と付け替えて完了つまり、抵抗から定電流ダイオードへ交換するだけ。
YAHAアンプの場合は、もともとプレート電流が非常に小さいので、どんな真空管でも0.1mAの定電流ダイオードにすれば多分動作します。
ノイズを心配される方が多いですが、僕が試したとろノイズを感じることはありませんでした。

定電流ダイオードは0.1mA付近の品揃えはあまりありませんし、0.1mA品は誤差が0.05~0.2mAくらいまでバラツキますので0.1mA品を10本くらい購入して、選別して使うと良い結果が得られます。
YAHAアンプをお持ちの方は、プレート抵抗を定電流ダイオードに交換して、その音を聴いてみてください。

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