シャントコイルによるマッチングは完璧!
スクリュードライバーの給電点インピーダンスは短縮率が高くなると下がります。これはスクリュードライバーだけではなく短縮したアンテナは基本的に給電点インピーダンスが下がります。
そこで同軸の50Ωになるように、インピーダンスマッチングが必要になります。コンデンサーやコイルが使われますが、先日50メガの短縮Vダイポールに入れたヘアピンマッチもコイルの変形版と理解しています。
でも、コイルの調整ってクリチカルだし、不安定・・・ってイメージがあるんです。ですから食わず嫌いでしてスクリュードライバーでは試したことがありません。
ところが50メガの短縮Vダイポールのヘアピンマッチが非常に特性が良く、安定している(雨とでコイルが濡れても平気)ので、スクリュードライバーでも試してみることにしました。
スクリュードライバーの給電点に入れるコイルはシャントコイルと呼ばれます。今回はコイルデータが判りませんでしたので、本場の米国からシャントコイルを購入しました。このシャントコイルをホット側とグラウンド側にパラで入れます。
コイルはインダクタンスを一番低い周波数で調整すれば、基本的には周波数が上がるにつれてL成分が無視されていき、同時に周波数が高くなると短縮率が低くなって給電点インピーダンスが上がっていくので、結果的に1個のコイルで3.5~28メガまでカバーできるとのこと。
あらかじめ、スクリュードライバーアンテナのコイル位置を3.5メガに合わせてから、アンテナアナライザーをベランダに持ち出して調整しました。
調整といっても給電点のインピーダンスが50Ωになるように、コイルのタップ位置を調整するだけ。蓑虫クリップでテストすればわりと簡単にタップ位置が判ります。
今回は今まで使っていた手前のプラボックス(マッチングコンデンサーボックス)の配線を外して、ごらんのようにコイルを仮取り付けしました。
写真左側がホット(アンテナエレメント)、右側がグラウンドです。
実際に無線機からフルパワーでSWRを計測してみると・・・・3.5メガだとSWR1.5の帯域が約20kHz取れており、従来のCマッチより気持ち広いかな?
7メガではSWR1.5以下の帯域が約140kHzも取れていてCマッチよりも3割くらい広くなり、とても使いやすくなりそう。
また、コイルの巻数を減らして、3.5~28メガまで試してみましたが、どこでもSWRは1.1以下と大変良好です。
いゃぁ、すごくラクチンです。
今まではQSYする時にはコイルの巻数とマッチング用のCをバンド毎に毎回調整する必要がありましたが、シャントコイルにするとQSYはコイルの巻数調整のみで完了します。
食わず嫌いで大失敗
スクリュードライバーのマッチングにはシャントコイルをお勧めします。モノバンド運用ならコンデンサーも良いですけどね。
これでベランダまでの配線がモーター電源2本+回転数検知用のリードスイッチ2本の4本と、現状の9本から大幅に減ります。
もっと早くシャントコイルによるマッチングを試すべきでした・・・。
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コメント
モービルに18MHzや21MHzのフルサイズホイップを試したりしています。
基台の近くに釣り竿を立てて、ワイヤーをそのままMコネの中心に突っ込むだけ。
SWRは2.0弱までは下がりますが、ここからはマッチングの出番だと思っています。
Lをチャント入れてみようかな。
投稿: JO1KVS | 2011年7月26日 (火曜日) 23時18分
KVSさん
SWR1.5位にしたいところですね。簡単なLCのアンテナカプラーが良いかも。プラケースの下にMコネ、上にターミナル端子を取り付けてエレメントを接続するイメージです。
Lを蓑虫クリップでタップする方法だけで調整できるかも知れませんか、500V程度で数十PF程度のセラコンをスナップスイッチで噛ませるようにすればバリコン不用で、かなり広範囲のインピーダンスに対応できると思います。
バリコンは50Wに使える対圧の製品は高いので、本格的になっちゃいます。14メガまでならコイルは直径2センチとして5ターンくらい、コンデンサーなら数十pF程度で調整できると思います。
投稿: JI1ANI/福井 | 2011年7月27日 (水曜日) 12時41分
ありがとうございます。
モービル基台に取り付けるカップラー、いいですね。
自動車半固定の運用は殆どこれで賄えそうです。
投稿: JO1KVS | 2011年7月27日 (水曜日) 20時03分
ご紹介いただきありがとうございます。防水ケース入りのモノを取りつけてみました。お陰で今までクリティカルだった帯域が広がりました。
投稿: JN1RVS | 2011年9月18日 (日曜日) 15時55分
RVSさん
こんにちは。こちらも防水ケース化を考えています。それとただいまグラウンド処理を色々と工夫している最中ですが、やはりグラウンド(ラジアル)を変えると、シャントコイルの容量も変更する必要があります。
半固定式にする必要がありそうです。もっとも、取り付けて変更しないから固定コイルで問題ありませんが・・・。
帯域が広がるのは嬉しいですよね。これは予想外でした。
短縮コイルのQが下がるわけではないので、やはりインピーダンスマッチングの範囲が広いのでしょうね。
投稿: JI1ANI / 福井 | 2011年9月18日 (日曜日) 22時04分