24.576Mhz低位相雑音TCXO
クロック用の発振器は低位相雑音だと音が綺麗(良い)というのが一般的で、ルビジウム発振器を使ったりしています。
ルビジウム発振器は大袈裟なのでTCXOで低位相雑音なものが求められているのはアマチュアもプロも同じ。そのような要望に応えてNDKがNZ2520Sシリーズの中で低位相雑音対応のクロック用水晶発振器、NZ2520SDを発売しています。
位相雑音は±1kHz:-143dBc/Hzとルビジウム発振器や高価なOCXOに近いレベルでサイズを考慮すると驚異的に優秀。
価格も1500円程度と入手しやすいのですが、受注生産のようで、運が悪いと手元に届くまで2カ月程度かかります。
もう一つの問題点はそのサイズ。
寸法:2.5 × 2.0mm、高さ:0.9mm、重量0.02g と小型・軽量です。
・・・・・小型・軽量すぎますNDKさん・・・・・。要するに表面実装用のチップ発振器ってことです。
まぁ、なんとかなるだろう・・・って注文して待つこと2カ月、届いたのはみかん箱半分くらいのダンポールだったので???でしたが、中身は全部で合わせてマッチの頭程度。
右側のシャープペンシルは0.5mmの芯です。
まぁ、ランド間が0.45mmと、僕が細工できる限界ギリギリなので、勇気を出して加工にチャレンジしました。
イキナリ表面実装なんてムリですから、まずはランドに0.1mmの銅線を取り付けてDIP8ピンのソケットに載せて使うつもり。
この手法はオーディオマニアの間では秘技とされています
30Wの極細こて先の半田ごてとハンダはNASAが採用している日本アルミットのKR-19をハンダが非常に綺麗に流れるので使いました。
扱いやすくするためにDIP8pinソケットの上に載せますが、DIPソケットの真ん中の穴を接着剤で埋めておきます。
1,4,5,8ピンにTCXOから伸ばした銅線を1,2,3,4の順番に配線してハンダ付け、DIP8pinサイズのTCXOの出来上がりです。
見慣れたDIP8pinソケットと比較すると、この発振器がかなり小さいのが判ると思います。
作業後は目がショボショボでした・・・。
あ、もちろん拡大ルーペのお世話になっています。老眼ですから。
さて、この発振器の実力は・・・ということで、3.3Vの実験用電源を接続して発振させ、IC7800のスペクラムスコープで波形を見てみました。
なかなか綺麗な波形(上)ですが、ルビジウム発振器と比較すると僅かに末広がりかな?一般的な発振器と比較すれば「とっても綺麗」な波形です。
比較までに先日購入した黄金色の0.3ppmのTCXOの波形(下)を比較しましが、金色のTCXOはかなり健闘しているように感じました。
ただ、価格的にはNZ2520Sの倍以上しますので当然・・・という気もします。扱いやすさを考えると金色のTCXOの方がいいかも。
もっとも、この波形の計測は簡易的なもので、おおよそのところしかわかりません。そもそもノイズのレベルがスペックの数値通りじゃありませんので、あんまり信用しない方がいいと思います。
したがって、細かいところの比較してもあんまり意味はないと思います。
この波形をみるかぎり、両方ともかなりのスグレモノであるとは間違い無さそうです。
参考までにルビジウム発振器を同じ測定方法で計測した波形と比較してみください。
周波数は異なりますが、波形の形はかなり参考になると思います。
ちなみにNZ2520SDの周波数精度は5ppm50ppm(訂正します)程度です。ルビジウム発振器を基準にした周波数カウンターで測りましたが24575.9589kHzとスペック通りでした。
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コメント
NZ2520SDの周波数確度ですが、仕様が
50×10マイナス6乗なのでppm換算だと
50ppmになると思います。
投稿: tallman | 2013年8月20日 (火曜日) 20時37分
NZ2520SDの仕様ですが、50×10マイナス6乗なのでppm換算だと
50ppmになると思います。
投稿: tallman | 2013年8月20日 (火曜日) 20時41分
ご指摘ありがとうございます。一桁間違えていましたね。
総合周波数許容偏差 ±50×10-6
でした。
投稿: JI1ANI/福井 | 2013年8月20日 (火曜日) 22時51分