同軸切換器を使ったモニター方法
無線の場合、モニターと言えば自分の送信信号をヘッドホンで聞くことを指しますが、送信信号をどの時点でモニターしているのか?で結果が大きく違います。
僕はSSBの場合、交信相手のトランシーバーのAF出力で「いい感じで聞こえる」ことが大切ではないかと思っています。
無線は独り言ではなく、相手局とのコミュニケーションですから、相手局が聞きやすいことが大前提、したがって相手と同じ状態でモニターできれば一番です。
僕は運用(送信)する無線機Aとは別にモニター専用(受信専用)の無線機Bを用意して、モニターしています。現在はA無線機はIC-7800、B無線機はIC-7000を組み合わせています。
A/B無線機は2回路の同軸切換器経由でダミーロードに接続しています。モニターするときには同軸切換器をA無線機に切り替えて、A無線機で送信します。
同時にB無線機の周波数をA無線機と同じにして受信します。この方法だとA無線機の出力が同軸切換器のアイソレーション分減衰してB無線機に入ります。
上の図のような状態でIC7800でダミーロードに送信し、IC7000に接続したヘッドホンでモニターしています。この方法では交信中の送信音はモニターできませんが、特に不自由は感じていません。
A無線機はフルパワーですが、B無線機のアッテネーターを使えばS9程度の「モニターに丁度良いレベル」でA無線機の出力をB無線機でモニターできます。
非常に簡便な方法ですが、一度高周波になった信号を再度低周波に変換してモニターできるので、相手局が受信している状態に近い形でモニターすることができます。
この方法、実は同軸切換器のアイソレーションテストの裏返しです。
上記の方法で同軸切換器を交換して実験し、A無線機の信号がB無線機で最も弱く受信できた同軸切換器のアイソレーションが優れていることになります。
僕は3社の同軸切換器を持っていますが、アイソレーションが一番優秀だったのはダイヤモンドのCX201A(写真)でした。
最悪な切換器は米国の〇×△製、B無線機のSメーターがスゴイ勢いで反対側に振れて、思わず「直結
」と心配しちゃうくらいB側へダダ漏れ。
たぶん、A側の200W出力がQRPP程度でB側にでていますわ。B側に同軸とアンテナ付ければ結構飛びそうです。
笑い事ではありません。アイソレーションが40dB程度の同軸切換器で2本のアンテナを切り替えていた場合、切り離したつもりのアンテナで受信した59+40dBの信号は、同軸切換器をスッポ抜けて無線機のフロントエンドまで59で届いていることになります。
特にローバンドでは気になると思いますし、そんな同軸切換器を使ってリニアで送信した時は・・・・想像したくありませんね・・・。
■注意■
2台の無線機と同軸切換器、ダミーロードを使った今回のモニター方法は、接続を間違えたり、同軸切換器の故障などで、2台の無線機などに重大な問題を発生させる可能性があります。
ダミーロードは連続送信に耐える十分な容量をもったものを使ってください。
接続後の第一声の確認は、A無線機の出力を最低にする、B無線機を接続しないでA無線機のSWRを確認する・・などなど、十分な確認を行ってください。
間違えてA無線機の出力がB無線機のRF回路にそのまま流れると、B無線機に致命的な問題が発生します。
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コメント
hi!!!
投稿: Icego | 2012年2月 1日 (水曜日) 11時32分
Icego
Hi??
投稿: JI1ANI / 福井 | 2012年2月 2日 (木曜日) 22時16分
真似をしてダイヤモンドのCX210Aを買って見ました。ウチはリグが1台しかないので、実アンテナ(=ダイポール)に対して、IC-7410とSoft66LC4を繋いでみると、切替器をIC-7410側にした状態で、Soft66LC4の局発の漏れが、IC-7410で14MHzだとS0で、18MHzだとS2位ですが、いずれもR5で良好に受信できます。(PRE-AMPはON。)
記事の中では、「フルパワーが、ATT ONでS9程度でモニターできる。」と書かれていたので、比例配分すると、まあそんなものですか。
で、切替器をSoft66LC4側にすると、IC-7410は無感になるのですが、そういうものなのでしょうか?別の経路で飛び込んでいる??
Mike/JH1OOD
投稿: Mike | 2015年4月 6日 (月曜日) 20時37分
Mikeさん
こんばんわ。そうですねぇ。アンバランスですから、どこかからか回り込んでいると考えた方が良いと思います。
電源とかどうですか?共通とか?
Soft66を乾電池動作させるといかがでしょうか?
投稿: JI1ANI/福井 | 2015年4月 6日 (月曜日) 20時55分
USBケーブル給電なので、モバイルバッテリーから給電してみたのですが、USB経由のシリアル制御(=周波数設定)が無くなると、ぶっ飛んでしまうようです。状況としては、リグとPCが同じコンセントに刺さっていて、PCからのUSBケーブル2本がリグとSoft66LC4とにそれぞれ繋がっています。
で、IC-7410とSoft66とを、同軸切替器でパチパチ切り替えて聞き比べてみると、Soft66の方がずっと聴きやすいですね。定量的な話では無くて、何となくの印象ですが。
私の場合、ぎりぎりの状況というのはあまり考えられないので、FDM-S2どころか超シンプルなDC受信機で十分ということなのかなぁ。であれば、TXも同様にシンプルにすべきなんでしょうね。
Mike/JH1OOD
投稿: Mike | 2015年4月 7日 (火曜日) 18時12分
DCは余計なことをしませんので、音質的には素晴らしいと思いますよ。
空いてるバンドでラグチューするならDC受信機が一番だと思います。もっとも、難しかったAFのシャープなフィルターはPC処理に任せることができるようになりましたので、復活しましたよね。
投稿: JI1ANI/福井 | 2015年4月 9日 (木曜日) 23時25分
初めまして。
米国の〇×△製とはM〇J製でしょうか?
避雷器もついているのでM〇J製を購入しようかと思ったのですが
投稿: TOM | 2017年2月 2日 (木曜日) 18時34分
TOMさん
こんばんわ。
僕からは「米国の〇×△製」としか申し上げられません。ごめんなさい。
投稿: JI1ANI/福井 | 2017年2月 2日 (木曜日) 19時14分