JTS JS-1tube にSovtek 12AX7LPS
12AX7の互換球で新品が入手可能という条件で評価の高い真空管には先日入れ換えたJJ製のECC803Sがありますが、もう一本、Sovtek製の12AX7LPSがあります。
ECC803Sは結構味わったので、12AX7LPSに交換してみました。
米国の真空管屋さんから購入した12AX7LPSは販売店で低マイクロフォニックノイズ品として選別されたものです。
お店で増幅率も測定していて、届いたものは両ユニットの増幅率もマッチしていました。実は先日交換したECC803Sは両ユニットのゲインが10%程度異なっていました。
記念撮影のあと、12AX7LPSに交換して一晩電源を入れてエージング・・・・おいしくなぁ~れ・・・ではありませんが、まぁ、気分はそんな感じです。
24時間経過してからモニターしてみました。
聞いてビックリ。
ECC803Sと較べて、確かに太くて力強い音になります。結構な変化です。ECC803Sがソツなく綺麗に聞こえるのに対して、12AX7LPSは低域と力感に特徴があって、一言でいえばガッツがあるように聞こえます。
自分の声をモニターする限りでは高域(といっても数kHz程度ですけど)は同じように聞こえますので、余計低域の違いが目立つと思います。
12AX7LPSの音、無線用としてはECC803Sより良いと思いますよ。声に力感が出る感じで、ちょっと極端な表現だけど「飛びそう」な感じの音になります。この迫力はやっぱりロングプレートによるリニアリティ向上効果なんでしょうかね?
スパイラルヒーターによるノイズの低下はDC点火のため、もともと感じませんでしたので変化なし。
音質面の大きな変化は真空管の特徴だけではなくて、どうやら真空管の両方のユニットのゲインが揃ったことも原因ではないかと想像しています。
JS-1Tubeはマイク本体に二つのマイクユニットが内蔵されていて、マイクユニットの増幅回路の電圧を可変して、マイクとしての指向性を出しているようです。回路を全部読み取ったわけではないので、推測なんですけど・・・。
マイクの指向性は電源ユニットのロータリースイッチで無指向性→単一指向性→双指向性まで9段階で調節できます。
もし、マイクの指向性が2個のマイクユニットを合成した結果だとすれば、2個のマイクユニットを双三極管の両方のユニットでそれぞれ増幅しているわけですから、両ユニットの増幅率が同じでないと設計通りの指向性にならないわけです。
というのは両ユニットの増幅率が同じ12AX7LPSに交換してから、マイクの指向性を切り替えたときの変化が非常に自然に変化するのです。
両ユニットの増幅率が異なっていたECC803Sでは、指向性を切り替えると指向性だけではなく音のキャラクターまで変化していました。
ところが12AX7LPSに交換すると、指向性の切換は指向性は変化するけど、音のキャラクターは変化しないのです。表現が難しいのですけど両ユニットの増幅率がマッチした12AX7LPSへの交換で明らかに「使いやすく」なりました。
JS-1Tubeは真空管の違い以上に真空管の両ユニットの増幅率が音質に大きな影響を与えるのかもしれません。
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