サウンドカードの限界?
先日製作していたマイクプリアンプの特性を調べるため、パソコンのサウンドカードで計測しています。
以前にも感じたのですが、やっぱり測定限界アタリの性能のようです。
測定に使っているのはプロ向けのサウンドカードですが、S/N 114dBというスペックで今となっては特に素晴らしいスペックではありません。製品のバラツキや経年劣化でS/N 110dB程度・・・というようなスペックで受け止めておけば、まぁ、ハズレは無いかと思っています。
先日製作したマイクプリアンプのマイク入力を抵抗で終端して、フルゲインの60dBで動作させ、出力のノイズレベルを計測した結果です。
校正した計測器ではありませんので、相対値として理解してください。製作したマイクプリアンプは何回計測しても1Khzで-110~-111dBです。
次にマイクプリアンプを取り外し、測定装置の入力を終端して同じように計測してみます。すると-110~-111dBと変わらないのです。
測定装置と終端抵抗の間に60dBの増幅器を入れても、入れなくても同じノイズレベル→60dB増幅器のS/Nは測定限界よりも低い・・・ということですよね。
念のため、オーディオジェネレーターで信号を入れてると、ラインレベル入力では当然ですが、0dB付近の-1.3dBまでレベルが上がります。
マイクプリアンプもちゃんと60dB程度増幅しています・・・・。
この現象は昨年ハムフェアでキットを販売したDMS05D MarkIIGでも、今回製作したマイクプリアンプでも一緒。
たぶん、両方のマイクプリアンプともに、サウンドカードよりも性能が良いわけです。それは嬉しいのです。
ですが、相対的でかまわないので、どちかが優れていることを示す環境は欲しいですよねぇ。
そうしないと、更に進歩させる方向性がわかりません。
もちろん、耳で聞こえ方はわかりますが、そもそも「いい音」は測定不能です。好みでも異なりますし・・・。でも、せめてS/Nくらいはどっちがどれだけ違うのか程度は計測したいですわ。
やっぱりそろそろS/N 114dBのサウンドカードではマズイなぁ。気に入っているんですけどねぇ・・・。
ただ、サウンドカードの性能が良くても、今回のグラフのように電源からノイズが回り込んでいる環境じゃぁ、意味ないことは確か。
今は時間を置いて複数回計測してノイズが少ない時のデータで比較したりしています。
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コメント
確か600Ω自体の熱雑音は帯域幅20kHzで-130dBV位だと思います(数値はうろ覚え?)
純粋に60dB増幅すると出力ノイズは-70dBVに成ると思います(dBV→0dB=1Vrms)。
これは理想的アンプの場合で増幅器の入力換算雑音が影響を与えるのでその数値により合成され出力ノイズが決まると思います。
投稿: アンドロメダ | 2012年7月14日 (土曜日) 23時42分
すいません入力抵抗は600Ωじやないですよね
nV=√4kTbRなので
抵抗値低ければ低いですが増幅器自体入力換算ノイズ-170dBVは無いでしょうー
投稿: アンドロメダ | 2012年7月14日 (土曜日) 23時53分
すいませんやっぱりうろ覚えで
k=ボルツマン常数 1.38e-23
b=帯域幅 20e3 (ほぼAHFフィルターに近い)
T=絶対温度 250 (273-23→ 23℃とした)
で計算すると
600Ωで-127.8dBV
300Ωで-130.8dBV
抵抗値に対し10Logで変化する
でした。
投稿: アンドロメダ | 2012年7月15日 (日曜日) 12時38分
アンドロメダさん
イロイロと調べていただきありがとうございます。私も調べてみました。今回は現在のマイクが150Ω程度であることから、終端抵抗値は150Ωのカーボン抵抗です。150Ωだと-132dBVになりますので
600Ωで-127.8dBV
300Ωで-130.8dBV
150Ωで-132.0dBV
という感じに並びます。
しかし、抵抗の熱雑音とか別世界の話だと思っていたのですが、低ノイズの増幅素子が普及して、自作でも熱雑音の限界のお隣まで来てることにイマサラながら驚きます。
今回のマイクプリアンプは静かにするために抵抗値も最大で2.4kΩ以下に抑えています。もう少し下げられそうです。
投稿: JI1ANI / 福井 | 2012年7月15日 (日曜日) 16時31分
昔々ダイナミックマイクのユニットを直で増幅する必要が有り(普通は巻き上げトランスが入ってる)
その頃のOPAMPはせいぜい入力換算ノイズ-110dBV位(4558等)だったので入力にローノイズのトランジスタやFETを並列に差動接続して
何とか出来たが経験が有ります
その時抵抗自体のノイズや磁気的にもシールドするとか勉強に成って覚えが有ります。
投稿: アンドロメダ | 2012年7月23日 (月曜日) 14時50分
アンドロメダさん
抵抗の磁気シールドですね。なるほど。
今度製作する時に可能なら試してみたいと思います。銅テープで巻くような形なら磁気シールドは可能だと思います。
最近は表面実装用でも良い抵抗がありますので、逆に表面実装した方が有利かもしれませんね。
僕の場合はランド法で基板のグラウンドに銅テープで抵抗をサンドイッチする方法かな?
投稿: JI1ANI / 福井 | 2012年7月25日 (水曜日) 15時48分