ローバンド用コモンモードフィルター
コモンモードフィルターはコアさえ入手できれば簡単に製作することができますが、ローバンドでそれなりのインピーダンスを確保するのはチクワ型のコアではかなりの数が必要です。
ローバンドで大きなインピーダンスを手軽に得るには、大型のドーナツ型のコアを使います。
コア1個では1.9メガでは心もとありませんので、
コアを2個使ってインピーダンスを増やします。
フィルターを2個直列にしても、コア2個をくっつけて容量を倍のコアに見立てて1個にしてフィルターを作っても、どちらも似たようなインピーダンスになることが、先達の実験からわかっています。
手間を考えると、インピーダンスを増やす場合、フィルターを2個作って直列に接続するよりも、コア2個に纏めて同軸を巻き付けた方が工作がラクです。
でも直列にもメリットがあります。
フィルターの特性はコアの大きさ・材質・巻き数で変わってきますが、直列の場合は2個のコアを変えたり、巻き数を変えたりして2個の特性を合成してローバンドからハイバンドまでまんべんなく効く特性にすることができます。
2個くっつけしまうと、そのようなチューニングはできません。でも、ラクに作れる、これは僕にとって大切なポイント。
ということで、ローバンドでインピーダンスを高くすることを目的に、FT240を2個束ねて、ハムフェアで入手した3D-QEV(耐熱同軸)を15回W1RJ巻きにしてコモンモードフィルターを作りました。
15回巻きだとちょっとキツキツです。2.5D-QEV(モービル用に存在する)辺りを使った方が綺麗にできそうです。
今回のコアは使い回しで、以前は普通の3D-2Vを10回巻いてコモンモードフィルターとして使っていましたが、W1JR巻きがとても効果的なのを他の方のブログで知り、コアはそのまま流用して巻き直した・・・ということです。
作業時間は小一時間でしょうか・・・・。
普通の10回巻きで製作したフィルターを取り外す前に24メガで確認するとノイズはS4でした。周波数やモードはそのままにして、小一時間後に今回製作したW1JR巻きのフィル
ターを取り付けるとS3でした。
1時間の間にノイズが減っただけかもしれませんが、なんとな~く、どのバンドも静かになったような気がします。ノイズが減ったのはプラシボとしても悪くなっていないことは確かです。
※7メガのインバーターとおぼしきノイズは、フィルター交換後もS9+10dBで快調に受信できます。多少は効くかな?と思いましたが、どうやらノーマルモードでアンテナ自身でガッツリ受信しているようです。ノイズキャンセラー用のノイズアンテナ用意しなくちゃ。
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コメント
大変参考になりました。ところで500w局の準備中です。コモンモードフィルターは、どこに入れたが良いか教えてください。
1Rigとリニアの間
2.リニアとローパスフィルター
3.ローパスフィルターとアンテナの間
よろしくお願いします。
De JH6KXG/KD9APW
投稿: 川上 正徳 | 2017年5月12日 (金曜日) 16時02分
川上さん
基本的にはコモンモードループを断ち切る部分に挿入しますので、リニアアンプもしくはアンテナ切替器のアンテナ側(アンテナに近い方)の3が一番効果的だと思いますが、1や2が駄目かといえばそんなことはありません。
効けばどこに入れてもかまいませんが、予防的に入れるのであれば3だと感じています。同軸ラインと同時にAC電源ラインにも入れることを強くお勧めします。
投稿: JI1ANI/福井 | 2017年5月12日 (金曜日) 21時27分