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2012年12月11日 (火曜日)

S9+10dBのインバーターノイズ、消せるかも?

MFJ1026を使ったノイズキャンセル作戦は、ノイズ受信アンテナを工夫して少しずつ成果が見えてきました。やはりノイズをキャンセルできるか否かの鍵は、ノイズアンテナにあります。
ノイズアンテナという表現がノイズキャンセルを難しくしているようで、単純に「第二アンテナ」が必要です・・・・と捕らえれば成功率が格段に上がると思います。

Photo 成功の条件は、第一アンテナ(メイン)と第二アンテナ(ノイズ用)の両方で同程度の信号強度、もしくは第二アンテナで強く「消したい信号」が受信できること。これに尽きます。

ですから同じアンテナを2本用意して1/4λ程度の間隔で設置するのが効果的です。
第二アンテナにはMFJ1026の内蔵プリアンプを入れられるので、第一アンテナより感度が多少悪くてもかまいませんが、MFJ1026への入力レベル差を20dB程度までに留めるのがコツ。

適当なホイップやLWでは、送信用として特定の周波数で共振させた第一アンテナと比較して、受信感度に30dBとか40dBの差がでちゃいますので、そんな第二アンテナでは効果が期待できません。

そこで、ベランダに設置した適当なロングワイヤーにアンテナカップラーを入れて、7メガで共振させました。SWRは1.1と良好です。
つまり第二アンテナは7メガで送信できるレベルまで調整しました。第二アンテナは南向きベランダ設置なので受信する信号の方向にもよりますが、屋上の第一アンテナとベランダの第二アンテナの差はS4程度です。

チューニングした第二アンテナだと宿敵のインバーターノイズをS7くらいで受信できます。第一アンテナでS7で受信中の信号がS9+10dBのインバーターノイズが掻き消されている状態で、MFJ1026とベランダの第二アンテナを使ってノイズをキャンセルした状態を録音しました。

録音ファイルの開始から7秒間はS9+10dBのインバーターノイズに埋もれた7メガです。信号の存在は判るものの了解度は1です・・・・というか、聞くに堪えません。7秒目に予めノイズをキャンセルするように調節したMFJ1026をONしてノイズをキャンセルしました。
すると、魔法のようにノイズが消えて目的の信号が了解度5で聞こえます。7秒目でインバーターノイズが止まったのではありません。MFJ1026が劇的に効いてます。
「nc.mp3」をダウンロード

目的の信号は第一アンテナではS9ですが、ノイズキャンセル後はS4程度に落ちてしまいました。原因は恐らく第二アンテナで目的の信号が強く受信できていないことではないかと推測しています。
録音は条件が揃った状態でなので、キャンセル効果最大に近いと思います。まだまだ効きが甘いことも多いので、安定して効果を得るため、第二アンテナを更にグレードアップすべく準備中です。なお第一アンテナと第二アンテナは水平距離13m程度高低差約3mです。

先週末に7メガでQSOできたZL9HRも、MFJ1026を使ってノイズキャンセルを試しましたが、御本尊の信号が弱すぎで、ノイズと一緒に御本尊の信号も消えてしまいました。第二アンテナの受信感度を良くすれば、ノイズをキャンセルした上で、狙った御本尊の信号を受信することができる・・・ハズです。

もちろん、狙った信号を全て綺麗にキャンセルできるわけではないと思っていますが、強烈なインバーターノイズで7メガが使えない状態から、国内QSO程度ができるレベルには改善できそうな手応えを感じています。

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コメント

音を聞かせていただきました。これは凄い。本当にノイズが激減してますね。驚きました。

投稿: JO1KVS | 2012年12月11日 (火曜日) 22時13分

こんばんは。
これは綺麗に消えてますね。驚きです。
で、素朴な疑問なのですが、ノイズキャンセルというのはどこかに書かれていたように、ノイズだけを別のアンテナで受信して、目的信号を減らさないようにノイズだけ減らすものだと思ったいました。どうもそういうわけではないようですが、目的信号のところだけキャンセルしないようにするとかなのでしょうか?・・・
ご教示頂けると幸いです。

投稿: JH4IUV | 2012年12月11日 (火曜日) 23時28分

KVSさん
こんばんわ。とびっきり上手く行ったケースが今回の録音です。こんな感じなら7メガも使えるようになりそうですが、まだまだ条件によっては効きが悪かったりして不安定です。

IUVさん
やってみると判りますが、ノイズ「だけ」受信するアンテナを設置するのは難しいです。そうすると、ノイズも他の信号も受信する第二アンテナを使って、第一アンテナと第二アンテナの距離の差を応用した位相差で狙ったノイズを小さくする以外に方法がありません。
ノイズだけ受信できている場合はノイズだけ、消すことができますが、ノイズも本来の信号も両方とも受信できる第二アンテナを使った場合は、ノイズと同じ位相の信号は全てキャンセルさせる理屈になります。
信号をキャンセルするのは、電気的なレベルを同じにして、相殺する仕組みなので、第二アンテナでノイズも他の信号も強く受信できないと、第一アンテナにアッテーネターを入れて、第二アンテナと同じ信号レベルにしないと、相殺するキャンセルができません。
ですから、最初に申し上げたように第二アンテナでノイズが強く受信できると、第一アンテナにアッテネーターを入れることなくノイズをキャンセルできるので、最高の状態になります。

投稿: JI1ANI / 福井 | 2012年12月11日 (火曜日) 23時54分

今回も参考になる記事をありがとうございます。
ますます購入の意欲が増してきました。
私の所では近隣(同じマンション内)のプラズマテレビの強烈なノイズとの戦いです。
今後も参考にさせていただきます!!
もう少し円高になってほしいところですHi。

投稿: 大熊小隊長 | 2012年12月12日 (水曜日) 06時28分

おはようございます。
なるほど、そういうことですね。大変勉強になりました。第一アンテナが屋上で第二アンテナがベランダでしたか、そういう設置の組み合わせが今回のノイズ発生源との位置関係含めてポイントの一つなのでしょうね。
また、ご教示下さい。
ありがとうございました。


投稿: jh4iuv | 2012年12月12日 (水曜日) 08時53分

福井さん

ご無沙汰しています。
ノイズキャンセルの実験大変興味深く拝見しています。
私も10年ほど前に挑戦しましたが、うまくいかず断念しました。
福井さんのブログを拝見して、ノイズ受信用の第二アンテナのゲイン不足ぐが原因だったと判明しました。
来年あたりに再度挑戦してみようかと思っています。何せノイズが多いので少しでも減らせればと思っています。

投稿: JF1UVJ/水村 | 2012年12月15日 (土曜日) 08時50分

水村さん
MFJ-1026の内部で入力信号がかなり減衰する設計なのも問題ではありますが、ノイズアンテナから強いレベルの信号を入れれば効果あります。
HFのアンテナ(送信用)が複数あれば、試しに2本接続してみると、仮設(?)のノイズアンテナとは大分様子が違うことがわかると思います。

投稿: JI1ANI / 福井 | 2012年12月18日 (火曜日) 22時29分

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