チップ部品を使ったHPF
Mini-Whip用にHPFを作ってみました。今回は表面実装の練習ということで、チップインダクタとコンデンサーを使ったお手軽HPFです。お手軽というのは設計方法です。
でも、特性はナカナカなものに仕上がりました。
左側の緑のインダクタはMini-Whipに電源を供給するDCライン用で、手持ちのインダクタを使いました。
コンデンサ(白)とインダクタ(黒)は大きめのチップ部品にしました。2012では、小さすぎて難しいです。でも今回のサイズだとチップの価格がそれなりでコストメリットはありません。
大きめなチップ部品ですが、やはりスルーホール部品使うよりも遥かに小さく纏まりました。今回は手ハンダなので、自動実装装置が真似できないようにミッチリ詰めてみました
チップ部品は小さい方がいいのかも知れませんが、アナログ回路はあまりに小さいと歪みの問題などもあります。
ですから小さければ良いというものでもありませんが、今回はそもそもチップ部品で作ること事態が目的ですから・・・。
基板は秋月のSMD実験基板を使って、グラウンドとして銅テープを基板に貼りました。銅テープは基板の裏面の全面ベタアースと接続しています。
裏面はレジスト仕上げですから、レジストを剥がして銅面を露出させました。
フィルターの基本の設計はWeb上で公開されているFilter Design 計算 ツールを使いました。このページの右側の下の方にリンクがあります(高周波回路設計ツール (RF Design tools) RFDN !)。
Web上で簡単にバタワースとチェビシェフのLPFとHPFを設計し、大凡の特性も把握できます。
設計ツールでフィルター回路が大凡固まったら、今度はLTspiceに設計ツールの回路と定数をそのまま写して回路を作って、シミュレーションします。
設計ツールでは、入手できないような定数のインダクタやコンデンサーになってしまいますので、LTspiceで現実的に入手可能な(利用可能な)定数に置き換えてシミュレーションするわけです。
フィルターですから誤差5%品を使いたいですし、チップのサイズは揃えたいです。なぁ~んて選んでいくと、結構選択肢は少ないです。
後は最終的に決めた定数のチップ部品で作るだけです。今回はフィルターですから、誤差5%の部品を探していて、チップ部品なら5%誤差の部品が多いことから表面実装に挑戦することにしました。
最初の写真は、一発勝負で作った基板です。LCともに張り替えなど一切していない全くの未調整ですが、ご覧のように特性はLTspiceのシミュレーション結果にかなり似ていて、僕の作ったフィルターとは思えない特性です。自分でびっくり。
これケースに入れる前に裸基板で計測していますから、シールドケースに入れるともう少し底が下がるかも・・・・。
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コメント
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
投稿: 履歴書の送付 | 2013年4月20日 (土曜日) 13時19分
履歴書の送付さん
こんにちは。一番大変だったのは設計でも実装でもなく、入手可能な定数の部品で狙った特性を出すことでした。
LTspiceでシミュレーションしないと、販売されている定数でこのような特性にするのは相当な時間と手間がかかると思います。
投稿: JI1ANI/福井 | 2013年4月20日 (土曜日) 13時28分
一般的にはチップ部品の方が寄生成分(インダクタンス等)が小さく、狙い通りになると思います。またベタに近づけやすいのでループも小さくなりノイズの影響も減ります。ループが小さいということはインダクタンスも小さいです。
リード部品が悪いとは言いませんが実装技術の差が大きく出やすい。
歪みはチップかどうかというより部品の種類によります。
投稿: ななし | 2019年7月 9日 (火曜日) 12時00分
ななしさん
ご説明ありがとうございました
ほんと、チップだと下手な実装しかできない僕でもなんとかモノになるものが作れます。スルーホール基板でもパスコンだけチップにしたりと色々と工夫しています。
今後も宜しくお願いします
投稿: JI1ANI/福井 | 2019年7月 9日 (火曜日) 23時15分