TPS7A4700(秋月電源キット)の実力
秋月で販売しているTPS7A4700を使った超ローノイズ・プログラマル電源キットのノイズとフィルター効果を調べてみました。負荷は100Ωの酸化皮膜金属抵抗で定電流状態での計測です。
レギュレーターは負荷電流が変動するとノイズが出やすいので、定電流負荷では実際に負荷が変動する場合とは異なりますが、まぁ参考にはなるでしょう。発振器みたいな定電流負荷ならデータがそのまま使えそうです。
なお、測定している電圧が変わりますが、負荷抵抗は100Ωです。電圧が違うと電流が変わっちゃいます。ヲイヲイ条件が一定じゃねーじゃんか・・・とお叱りを受けそうですが、あくまで傾向をみるための実験ですのでご容赦ください。計測範囲は20Hz~250kHzです。
1.基準 単三×8本 12V 100Ω負荷
APB-3の測定限界を超えていると思われるので絶対値は参考レベルです。
2.単三x8本 12V→TPS7A4700基板3.3V 100Ω負荷
TPS7A4700によって少しノイズレベルが上昇したことが見て取れます。
3.無線機用安定化電源13.8V 100Ω負荷
うーむ。あまり綺麗ではありませんが、コイツを元ネタにしてTPS7A4700で電圧を下げてみます。フィルター効果も期待できるハズです。
4.無線機用安定化電源13.8V→TPS7A4700 3.3V 100Ω負荷
かなり綺麗になりますね。90Hz付近の盛り上がりは綺麗サッパリ消えましたが、40Hz辺りのヒゲは減衰しているものの、消えていません。
5.L社 ACアダプター12V出力 100Ω負荷
!!!と絶句しちゃう結果ですが、Made in Japanのスイッチング方式のACアダプターです。これはノイズが酷い例ですけどね。
6.L社 ACアダプター12V出力→TPS7A4700 3.3V 100Ω負荷
マジですよ。TPS7A4700を通すとフィルター効果でこんなに綺麗になっちゃいました。色々調べてみると綺麗サッパリ消えちゃうノイズと減衰するものの消えないノイズの二種類あります。ノーマルモードとコモンモードかなぁ。しかし、劇的な効果です。
7.BE社 ACアダプター12V出力 100Ω負荷
耳印のトランス式ACアダプターです。さすが変なノイズはありませんが、50Hz以下が気になるかな??
8.BE社 ACアダプター12V出力→TPS7A4700 3.3V 100Ω負荷
おお~~~。もともとノイズが少ないトランス式のACアダプターもTPS7A4700を通すと更に綺麗になります。
なんて言ってる場合ではありません。すっげ~~綺麗な乾電池並の電源です。普通に作ったらここまでにするのには結構苦労すると思います。
ヘッドホンアンプとかにバッチリじゃないかな?
ということで、発振器の電源ノイズは自作の安定化回路かAC回りが犯人ってことで確定です。トホホ・・・。
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コメント
面白いデーター、ありがとうございます。
実際のところ、実機に組み込んだ時、データーシート通りなのかどうなんて分かりませんから。
測定器があるっていいですね。
秋月がキットを出してくれたお陰で、ハードルが下りましたね。
基板配布では、なれないとTPS7A4700のハンダ付けが大変そうです。
投稿: KTH | 2013年8月17日 (土曜日) 10時55分
KTHさん
こんにちは。やはり現物確認って大切だと思います。APB-3はコンパクトですし、多機能なので絶対のオススメです。
チップは小型化するのでハンダ付けが問題ですが、今回のように使いやすい(使いたい?)チップは小型基板に載せて周辺回路まで付けていただけると、ありがたいですね。
TPS7A4700基板キットは大ヒットみたいですよ。負電源基板も欲しいのですけどねぇ・・・。
投稿: JI1ANI/福井 | 2013年8月17日 (土曜日) 15時13分