LTC1144とオーディオ回路
オペアンプ用の負電源としてチャージポンプICを使う場合、発振周波数がポイントです。LTC1144は第二世代(?)で、発振周波数を10倍にするBoostモードがあります。
図を見ていただければ判るように、LTC1144を通常モードで使うと第一世代と同様、5kHzとその高調波が聞こえてオーディオアンプとしては使い物になりません。
そこでBoostモードにすると、発振周波数が10倍になり、5kHzの五月蠅い発振音が耳では聞こえなくなります。これならオーディオにも使えます。
あとはデータシート通りで、電流容量によって電圧降下(負電源ですから電圧上昇なんですけど)することに注意すれば良いわけです。さすが第二世代、進歩しています。
Boostモードにすると、こんな感じで5kHzから上もスッキリ。耳で聴いても発振音を聞き取ることはできませんでした。
LTC1144などチャージポンプICを使う場合、ヘッドホンアンプなど、音の大きさが変化すると、オペアンプの消費電流も変化するような場合は、負電源の消費電流も変化しますので、負電源の電圧が音の強弱で揺すられることになります。
負電源が揺すられることによる音質変化は、単体で耳で聞いている限りでは感じることは難しいと思いますが、A/B切換・比較テストをすれば、安定感の違いとして感じるかも知れません。
増幅回路でもA級動作みたいに電流一定(or 殆ど変化しない)の場合は、負電源の電流も一定です。電流量に応じた電圧で安定し、音の強弱で電圧が変化することはありません。
汎用オペアンプとちがって、マイクアンプの専用チップは音の大小に関わらずほぼ一定の電流が流れるので、汎用オペアンプよりチャージポンプの影響は受けにくいようです。
| 固定リンク
コメント