Kwダミーロードの製作
MFJ-250Xを改造したダミーロードは高周波用ではない終端抵抗を使ったので、100メガあたりで特性が暴れています。
もう一つの不満はオリジナルのMFJ-250は油冷でKW対応なんですが、改造後は終端抵抗の関係で200W入力が上限です。
表示と中身が違ってスペックダウンです。リニアは持っていませんが、改造したのに性能が下がるというはいただけません。
そこでKW対応ダミーロードに再改造しました。
実はオークションで800W100Ωの終端抵抗がペアで安価だったのです。冗談半分で入札したら、落札しちゃいました。本当は800W50Ωのチップ型終端抵抗を1個使って改造しようと思っていましたが、落札した2個を使わないと無駄になっちゃうのです。
改造は終端抵抗を取り替えて、同軸の接続部分に銅板を当て、同軸と終端抵抗が面接触するように変更しました。
同軸の外皮を剥いて網線と銅板をハンダ付け。銅板で終端抵抗のコールドエンドと同軸の網線を最短で直結します。
終端抵抗の給電点は6mm幅の銅板でブリッジしてあります。中央に逆U型の部分を設け、熱収縮に対応できるようにしてあります。
銅板とヒートシンクは終端抵抗を固定する4個のビスと、ヒートシンクを固定する1個のビスで接続していますが、本当は肉厚の銅板をヒートシンクにベタ置きしたいところです。
グラフは缶に入れる前、空冷状態で連続200W入力した時の終端抵抗のセラミック部分の温度変化です。100℃で800Wに耐えますから、100℃で200Wなら十分余裕があるハズです。
一般的に冷却力は強制空冷や液冷だと自然空冷の数倍~10倍程度と言われているようですので、ヒートシンクを油に入れれば更にマージンが増えます。
米国のリニアンプメーカー、アルファの2KWダミーロードも同じ終端抵抗(200Ω×4パラ 800w x
4個)を使っていますが、10mmはありそうな銅板の上に終端抵抗を載せ、終端抵抗を取り付けた銅板をヒートシンクで冷却する形でした。
興味深いのは、終端抵抗の配線にLを入れて、4分岐する給電点の同軸コンデンサと合わせてLCで整合を取っていることです。
今回の目標はオリジナルのMFJ250に貼ってあるラベルよりも良いモノ(チューンアップ)にすることですが同等品レベルには仕上げることができたようです。周波数特性はHFはSWR1.1以下、6mは1.15、2mは1.47です。
SWR悪化の原因は給電点で同軸が斜めになっていて、2個の終端抵抗との距離が異なること、銅板がヒートシンクにベタ置きではないこと、Mコネを使っていることかな?計測はMR-BNCP→BNCJ-BNCJ→BNCP-NPと3個の変換コネクタ使っていますので、高い周波数ではその影響もありそうです。
また、今回使った終端抵抗は500MHzでSWR1.5程度と推測され、パワーの代償として周波数特性はそれほど良くないようです。
熱容量はオイル量が改造前とほぼ同一ですから、MFJの説明書のようにKWでも数十秒は使える・・・ということになるのかな??
完成後に200W連続5分で温めてみましたが・・・・缶の上部の温度が多少上がった気がする程度で気持ちよくTS-990のフルパワーを吸い込んでくれます。
なお、チップ型終端抵抗のフランジにはベリリウム銅が使われていることが多く、取り扱いには注意が必要だと思います。
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