IC7851はIF出力(12k)対応?
昨夏のハムフェアでのICOMの50周年記念モデルIC7850に続いて、量産モデルIC7851が年末に発表されました。
発表のタイミングが年末だったためか、まだ、あまり話題になっていないように思います。
先週末にIC7851のマニュアルを見てみましたが、気になる点を見つけたので調べていました。
デジタルモードやリモート操作を想定した場合にポイントとなる7851の外部接続コネクタには従来のマイク・光・ACC・LANに加えてUSBが増えました。
USBについてはICOMの他のHF機では既に追加されているので、新モデルの7851でもサポートするのは当然の進化ですね。
他にも外部AF出力でスケルチが有効にできるようになりました。これは結構要望が多かったようですね。また、光は従来の48kHz16bitから24bitへと進化しています。実際はTS990みたいに96kでロックしちゃうかも知れませんね。
気になったのはそんなマイナーなポイントではなく、ICOM無線機では初(?)となる受信信号のIF出力機能が追加されていることです。特に専用のIF出力コネクタはありませんが、外部接続コネクタの受信出力をAF/IFで切り換えてIF出力ができるようになっています。
ICOMのIC7851のページでも紹介されていないのですけど、リモート用のCI-Vコマンド一覧を見ていて、今までみたことの無い「IF出力レベル調整」の項目があるので気づきました。
う~ん。紹介する価値もないショボイ機能なのかなぁ・・・。
IF出力に切り換え可能なのはLAN・USB・ACC・光で、それぞれ個別に設定できるようです。つまり、光ではAF出力、USBではIF出力・・みたいに設定できるハズ。
マニュアル本文ではIF出力に関する記載は発見できませんでしたが、コネクター情報のACCソケットのpinアサイン一覧表のpin5、従来は受信AF出力の項目に 「【AF】に関係しない受信検波の出力端子、または受信IF(12k)出力」と記載されています。
一読しても良く意味がわからない日本語がマニュアルに記載してあるのはいかがなものかと思いますが、推測するに、前半については、従来通りの機能の踏襲で、AF段の処理(イコライザーなど)の手前で出力される素の受信出力(可聴低周波)ではないかと思います。
後半はIC7851のIF(12kHz)信号を出力する・・・という意味に読めます。
でもカタログには中間周波数について
中間周波数
第一:64.455MHz(MAIN)、64.555MHz(SUB)
第二:36kHz
って書いてあるんですよねぇ・・・。う~ん12kって謎ですよね。
文字通りなら、どっかの段階での12kHzの受信信号が出力されるので、光やUSB経由でデジタルのままPCに取り込んで、PC側のアプリで処理することが可能・・・ということになります。DXerの必需品(?)CWスキマーと相性良さそうですねぇ
ちょっと面白いのは、フィルター類の設定が、HFと50メガで別々に設定ができるようになったようです。僕は50メガでは幅広設定でのんびりラグチュー、HFでは狭めな設定でDX運用ってスタイルなので嬉しいですけど、これは多分、50メガでのカスカスの信号を拾う設定とHF帯のQRMを避けるフィルター設定を用意したということでしょうね。
しかし、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサには驚きました。高いのによく採用したなぁ~。
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コメント
ANI様
マニュアルでは同じ信号がS/PDIFからも出ているようです。ちなみにS/PDIFを調べると44.1や48kHzの他に12kHz codecも規格化されています。
IFとは言うもののD/A変換前のAF信号のように思えます。真相は如何にですが。
投稿: JA2HVW水島 | 2015年1月13日 (火曜日) 14時35分
水島さん
こんばんは。
S/P DIFに12kの規格がありましたか?なるほど。でもかなりマイナーでしょうね。手持ちの機材は32k~しか対応してません。
恐らくは水島さんの想像通りだと思うのですが、さて??
TS990のUSB出力は、無線でDAしたものを、無線機内で再度ADしたUSB出力なんです。したがってデジタル出力そのままのS/P DIFの出力データとUSBの出力データは一致しません。
USBはDA ADを余計に変換している分データが劣化しているんです。回路図みて驚きました。
まさか7851が同じ構成とは思いませんが・・・。
投稿: JI1ANI/福井 | 2015年1月13日 (火曜日) 21時14分