STRIDSBERG MCA108M HF Receiver Multicoupler
1本のアンテナに何台もの受信機やトランシーバーを接続するためには、2分配では足りません。
また、2分配なら-3dB(半分)程度の減衰ですから、まぁ、なかった事にすることもできますが、4分配以上に分けると-6dB以上の減衰になります。
無線機に-6dBのアッテネーター入れて疑似体験してみると「これはアカン」となるレベルです。-3dB程度だと「弱くなる」みたいな感じですが、-6dBは「消えちゃう」ような感じで、差は大きいです。
となると、アンプ内蔵のアクティブタイプのスプリッターが必要になります。受信機用としてはアンテナ マルチカプラーって呼ぶようです。
アンプ内蔵ということは、長波帯~短波帯までの広帯域増幅器ですから、下手な増幅器だと中波や短波放送の強烈な信号で飽和して変な信号が現れたりすることになってしまいます。
そこで信頼性が高い製品を選ぶことにしました。STRIDSBERG ENGINEERING, LLCは米国政府御用達の会社として、マルチカプラー業界(?)では有名なようです。もちろん、米軍仕様のゴツイのもありますが、デカイ・重い・・という ことで今回はコンパクトなアクティブマルチカプラーにしました。
8PortのMAC108Mは主力製品のようで、データシートとテクニカルシートでスペックも公開されており、それをみる限り安心して使えそうです。結構なお値段ですので、スペックが不明なものは避けました。
先週から使っていますが、グラフのように、HFのハイバンドでは多少利得があるような設計になっています。
長波帯から増幅しているので、入力に1.8MHzのハイパスフィルターを入れ、中波放送はカットしています。
MAC108Mを使うと、内蔵プリアンプの効果で、実際に受信していてもSメータが振りが良くなるだけでなく、多少感度があがって微弱な信号が聴きやすくなったように感じています。
この感度UPは、特にSDR受信機で顕著です。
アイソレーションがいま一つですが、-20dBは取れていますので一応合格でしょう。
使っていてアイソレーションが問題だと思われる事象は気づいていません。
本来はフラットにもできるゲイン配分、右肩あがりになっているのは、実は狙った結果で、高い周波数で感じる聴感上の感度不足を補う巧みな工夫ではないかと思っています。
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コメント
お、これはBNCのようですね。
-6dB(ex.抵抗スプリッター)だと消えちゃう・・ですか。今は、直結なので0dB(?)なんですが。
非常に魅力的なのですが、MF阻止用のHPFとかこれだけでは済まなくなりそうで・・。
JH1OOD/Mike
投稿: Mike | 2015年4月26日 (日曜日) 11時45分
mikeさん
pskだと10dB程度がデコード率が8割程度の境目になるようで、-3dBで文字化けしても類推できるのですけど、-6dBだと意味不明になっちゃうのです。
確かに、芋づる式に必要なモノが増えていきますね。予想外というか、予想すべきなのかもしれませんが・・・・。
投稿: JI1ANI/福井 | 2015年4月26日 (日曜日) 13時24分
なるほど、ディジタルだとあるところから先はクリフ効果でガクッといっちゃうんですね。私の場合は主にCWを脳ミソアナログ受信なので、-6dBでもまあいいかぁ・・。
アナログDC受信機のLO突き抜けによるビード妨害ですが、手動でNotch Filterを操作というのも馬鹿らしいので(SSBだとAutoがあって、ダイアルを停めると0.5秒位ですっと消えるのですが、これをONにしていると、肝心のCWも消えるようです・・)、ターゲットの周波数がLOのどちら側かを見て、自動的にサイドバンドを適宜切り替える位ですか。それで、効くかどうかはともかく。
いずれにせよ、せっかくのシンプルなアナログDC受信機なので、対策もシンプルにいきたい(諦めるも含めて)ところです。
で、これが一旦高級路線(ex. 直接A/D変換のSDR)となると、どんどん芋づる式に必要な(!)機材が増えてきてということなんでしょうね。
投稿: Mike | 2015年4月28日 (火曜日) 20時14分