ELAD SPF-08の実力
ELADのSDRとおそろいのプリセレクターSPF-08の特性を調べてみました。といってもELADも周波数特性を公開していますので、似たようなものですが、自分の持っているものの特性を知っておくのも大切なことだと思っています。
周波数特性はAPB-3のネットワークアナライザ機能で調べてみました。最初は短波帯受信の基本となる中波帯カットのHPF FHP1M7-1(1.7メガカットオフのHPFって意味)です。
通過帯で多少減衰があるようですが、測定誤差の範囲内ですからスペック通りと考えて良いと思います。
肝心の中波帯は-30dB以上減衰していますので、目的には十分でしょう。僕のところでは800-1,000kHzの減衰量がポイントなんです。FENが810kHz、TBSが954kHzですからね。
ELADではWARCバンドを含むフィルターが用意され、10m用のみラインアップされていません。実際に使っていても12m以上のバンドでフィルターの必要性を感じたことはありませんが、20~15mはあった方がいいな・・・と感じていました。
SPF-08は8枚のフィルターを内蔵できるので、どのバンドを削るか悩みました。
結局中波のDX受信はしませんので、FHP1M7-1を基本に、必要性の高いアマチュアバンドを入れていくと、必然的に12m以上はFHP1M7-1の中波阻止フィルターでカバーすることになりました。
逆に言えば160/80/40/30/20/17/15mはバンドパスフィルターにしました。ただ、特性をみるとわかるように、アマチュアバンド専用というよりも、アマチュアバンドの近接した放送バンドもカバーするようになっています。
BCL受信機としてのニーズが高いので、アマチュアバンド専用でないのは仕方ありませんが、ELADはトランシーバーも発売しているので、アマチュア無線に最大限配慮しているSDRメーカーだと思いますヨ。
フィルター特性はトロイダルコアを使っているためか、見た目よりもシャープな特性です。もう少し緩い感じかと思っていましたが、想像以上に切れていました。
小さいケースにフィルター基盤を高密度で実装していることを考えると良くできたプリセレと言えるのではないかと思います。
自作用のフィルター基盤も販売されているので、アマチュアバンド専用にもう少し特性をシャープにしたフィルターを作ることもできますが、これ以上シャープな特性にすると通過帯域の減衰量が急激に増えるので難しいところです。
欲を言えば、プリセレクターに切替式のアッテネータを内蔵されて、本体のアッテネータと連動して0~-30dBくらいまで3dBステップで切り換えて使えるようになっていたら、ちょっとした測定器として使いやすいだろうなと思います。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント