RG-316の減衰特性
RG-316は細くて耐圧も取れるので、イソイソと同軸トラップを作ったものの、なんせ細いのでローバンドとはいえ、結構なロスがあるんじゃないかと心配になりました。
実験中の160-80-40mの3バンドバーチカル(160mは逆L)には、同軸トラップは2個。7メガと3.5メガが入っています。
7メガ運用時はトラップを通りませんが、3.5メガ運用では7メガ同軸トラップを、1.8メガ運用時には7メガと3.5メガの両方の同軸トラップを通ります。
RG-316のスペックを調べても1/10/30MHz.... と、飛び飛びでの減衰量しか掲載されていませんで、データをグラフにして1.8と3.5メガでのロスを調べてみました。
グラフにするとこんな感じです。
3.5メガ運用時には7メガの同軸トラップのみを通過します。7メガの同軸トラップはRG-316を約1.3m程使っています。
グラフで3.5メガでRG-316の1mのロスは0.15dB程度ですから、1.3mで0.195dBとなります。-0.195dBは電力比 (Power-ratio) = 0.956093、つまり5%のロスです。
全長11mと55%に短縮していることを考慮すると、かなりロスが少ない。
また、1.8メガではRG-316は1mでロスは0.12dB程度ですから、7メガ同軸トラップの1.3mに3.5メガ同軸トラップの2.4mの合計3.7mを掛け算すると0.444dBとなります。-0.444dBは電力比 (Power-ratio) = 0.902818、つまり10%のロスです。
1.8メガのロスが少し大きいですが、こちらも50%程度に短縮されていることを考慮すると、ロスは少ないといえるのではないかと思います。
RG-316を使った同軸トラップは、軽量なため、12mのグラスポールをステー無しで立てて、同軸トラップ付きのエレメントを沿わせてもグラスポールは真っ直ぐに自立しています。
3D2Vを使った同軸トラップだと、グラスポールの先端が少しお辞儀しますから、その差は多いです。
でもRG-316は二桁周波数では結構なロスがありますので、注意が必要です。今回の3Bandバーチルでは、ロスは10%以下なことがわかって、一安心です。
この3バンドバーチカル。3.5メガは55%短縮されているので帯域は広くありませんが、打ち上げ角度はかなり低いようで、DXに良く飛びます。
今まで、フルサイズの垂直9m、水平11mの逆Lやボトムローディングの全長9mバーチカルを使っていましたが、逆L打ち上げ角度が高くなるためか、短縮バーチカルは短縮ロスがあるのか、現在のリニアローディングバーチカルよりDXには飛びませんでした。
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コメント
いつも有用な記事をありがとうございます。
私も以前からRG-316ケーブルのロスが気になっていました。
そこで秋月電子さんから販売されている1.5mのケーブルで
ロスを測ってみました。
おおよそ掲載されているデータと同じでした。
こんなに細いケーブルなのに優秀ですね。
http://www7b.biglobe.ne.jp/foschia/RG-316-S21.png
投稿: Foschia | 2017年3月26日 (日曜日) 20時19分
Foschiaさん
貴重な実測データを公開いただき、ありがとうございます。記事を書くために各社のRG-316のデータを確認しましたが、やはり各社微妙に異なる結果となっていました。
グラフにしたのは藤倉のRG-316のデータです。
実測データでコイルを巻くのが一番確実だと思いますが、今回の空芯自立型(?)は巻き方でかなりインダクタンスが変わるので、カット&トライが必要なので、あまりシビアに寸法測っても意味がありませんでした。
逆にボビンに巻く方法だと、直径と巻き数とピッチ(密巻とか)でインダクタンスを決め打ちできるので、データが活きると思います。
いづれにしても、RG-316は安価で細さの割にはロスも少ない良い同軸だと思います。無線機や機材の内部配線に積極的に使いたいですね。
投稿: JI1ANI/福井 | 2017年3月27日 (月曜日) 21時31分