販売予定キットのバリデーション
音創り研究会では、キットの開発は企画者が主査となって、設計~試作を行い、試作品を研究会のミーティングで多人数で評価します。その結果、Goサインが出れば、
部品調達→バリデーション→最終仕様決定→袋詰め・マニュアル類作成→販売
という流れになっています。
もちろん、各工程で必要によって、企画者以外のメンバーが協力して、ケース加工を手伝ったりします。
キット化で重要なのはバリデーションテストです。研究会では「バリ」と略していますが、回路図や組み立て図と部品、加工済みケース一式を企画者が用意し、それを他のメンバー(テスター)が実際に組み立てて、問題なく組み立てできるのか?説明に不備はないか?ちゃんと動くのか(笑)?をテストします。
回路図を添付しても、実装となれば組み立てる方の個性が発揮されますし、企画者自身が「いつもやってること」は自分の常識として、マニュアルに説明していなかったりすることがあります。まさに、自分の常識は世の中の非常識・・・・ってヤツです。
例えばボリュームの取り付けには、軸を通す穴の他に、ボリューム自身が回転するのを防ぐ、爪をひっかける小穴が必要な場合が多いのですが、ケース加工が増えるので、軸穴のみで締めつけることがあります。
爪付きのボリュームを軸穴だけで固定すると、爪がケースに当たって、ボリュームが斜めに傾いてしまいます。そこで爪は予めニッパで切断してからボリュームを取り付けます。
でも、ボリュームの取り付け穴が1個しかない(爪用の穴が無い)のに、爪を付けたままの状態でボリュームを取り付け「グラグラする」とのご指摘をいただいたことがあります。
まさに、自分の常識で爪をカットして組み立てていたわけです。
説明書に「予め、ボリュームの爪をニッパで切断する」と記載して、以後そのようなご指摘はなくなりましたが、こんな感じの「思い込み」が結構あるんです。
そんなわけで、バリデーションテストが重要なんですが、今回はDMS-11H&MとDPP-01の両方のバリデーションテストをさせて戴きました。
両方とも無事完成させることができ、バリデーション作業を終えることができました。写真は僕が組み立てたDMS-11H&M、何カ所か間違っています(念のため)。
いくつか気付いた点はキット化に反映されて、更に組み立てしやすいキットになると思います。ファンタム電源DPP-01は試作も行っているので、2台目ということもあり、組み立ては数時間でしたが、DMS-11H&Mは半日かかりました。
といっても、組み立て作業そのものは大変楽しく、頭を空っぽにして集中できる幸せな時間ですね。
完成して、問題なく動作したので、自分でフルカスタムした中華コンデンサーマイクにDPP-01ファンタム電源を接続、DMS-11H&Mマイクアンプを使ったラインアップで今日からオンエアです。
いゃぁ、自分で作った愛着もありますが、この2台、どっちも良い出来です。ほんと。ファンタム電源は深みがあって艶かしい音だし、マイクアンプは低域から広域まで伸びてて適度に球の音色しているし・・・・、まさにSimple is Best. いい感じです。
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