ZCAT3035のインピーダンス変換トランス
アンテナのインピーダンス整合トランス・・・って言うとFT240やFT114が定番ですが、TDKのZCAT3035を2個横に並べてメガネ型のコアにして、使ってみました。
結論から言えばコンデンサによる補正無しで一桁周波数ではFT240と同じように使えると思われます。
もちろん、コア材質や形状が異なることで、色々と差異があるでしょうけど、200WのRTTYでも常温ですし、インピーダンスも計算通りの比率です。
巻き数については、ZCAT3035の穴の直径は13mmですから、数回巻きが限度です。その替わりに、メガネ型とすることで、一巻当たりのインダクタンスを増やしています。
普通は巻き数を同じにするようにしますが、穴が小さいのでFT240と同じような巻数は無理ですから、インダクタンスに着目して、だいたい同程度のインダクタンスになるような巻数にしました。
参考にしたのは3D無線クラブ NO.47 50Ω:12/22/28/32Ω 不平衡 ステップDOWNトランスの作り方 です。
今回試作したのは 50Ω : 28Ω整合器 として紹介されているものです。前回き記事が紹介したように、僕のスクリュードライバーのインピーダンスは7メガだと31Ωなのです。
3D無線クラブの記事にある変換インピーダンスとしては32Ωが一番近いのですが、巻線数が増えますので、今回は捲線が1本少ない28Ωを選びました。
写真はZCAT3035に1.25sqのテフロン線を巻いているのですが、写真で4回巻。
3.5や1.8は7メガよりももっと給電点のインピーダンスが下がります。であれば、7と3.5や1.8がソコソコの状態で共用できないか?と考えて32Ωではなく、低めの28Ωにしました。
疑似負荷では、なんとかなりそうだけど、思った以上に10メガが悪化するのと、1.8メガは微妙かも・・・・という結果でした。
この50Ω:28Ωと別に用意した50Ω:22Ωのトランスを僕のスクリュードライバーの給電点に取り付けてみた結果は
周波数 28ΩSWR 22ΩSWR 給電点Z
1.8MHz 1.47 1.36 19Ω
3.5MHz 1.39 1.04 20.5Ω
7MHz 1.00 1.23 31Ω
10MHz 1.55 1.78 48.9Ω
と、狙った通り、28Ωが妥協点ですが、10メガがちょっと悪いです。でもコンデンサによる補正をしていませんので、補正して1.3位に収まれば50Ω:28Ωでバッチリですね。
もちろん、補正が良く効くなら22Ωで・・・という選択肢も考えられますが、補正次第です。
現状ではトランスの周波数特性がとても悪く、7メガあたりから急激に特性が悪化します。コアの材質もあるかもしれませんが、巻数を減らして結果、巻線間のキャパシタンスが減った影響がモロにでている感じ。
より線でキャパシタンス増を試してみましたが、なんせ1巻とか3巻では、捲線の物理的な長さが限られているため、キャパシティとしても今一つのようで、平行との差は誤差範囲でした。
今回はローバンド用として一桁周波数限定みたいな使い方ですが、ZCAT3035でHFオールバンドをカバーするトランスを作るためには細い線で巻数を増やすことになりそうです。
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