ZCAT3035-1330を使ったコモンモードフィルター
素材が変われば巻き数なども変わってきますが、コア巻きのコツというか、巻き数と挙動が判ってきましたので、FT240みたいに数をこなさなくてもこの程度のフィルターをデッチあげることができました。
パッチンコアは内径が13mmΦと小さいので、巻き数を増やせず、減衰量を取るためにはコア数が増えます。
今回は小型化したかったので、巻き数を増やせるように同軸はRG316を使いました。
RG316は3mmΦ弱と細いですがHF帯では減衰は気になりませんし、kwを通せる同軸ですから200W連続では全く問題ありません。仮に高SWRで発熱してもテフロンですから1.5Dと比べて安心です。
市販のCMFも200W機用としては、RG316か、類似の細い同軸を使っているものが殆どではないかと思います。
グラフはケースに納めた完成品の周波数特性ですが、1.8と3.5メガで-30dB以上、7メガでは-40dB弱、10メガ以上では-40dBと市販のものよりも5~10dB程度減衰させることができました。
でも29MHz付近の減衰のピークは、ケースに入れる前にはありませんでした。なんでかな??
コアはTDK ZCAT3035の使い古しで、ケースが割れてしまってパッチンできないものを集めてコアをケースから取り出して、熱収縮チューブで固定して使っています。
こんな感じになりました。左からコア1個、コア2個連結、コア1個の合計4個、巻き数は左から4回、5回、4回です。
巻き数が多くて発熱が心配でしたが、SWR1.3のアンテナで、15秒受信、15秒200W送信を繰り返しても問題ありません。現在も運用テスト中です。
今回のキモはABS材の8mmΦのパイプをコアの中心に通していることです。
RG316は細いので巻いた状態でコアの穴の隙間が十分にあります。
そこへABS材のパイプを通すことで、コアの穴の隙間が埋まって、コアの中の同軸がコアの内側に密着します。同時に適度なキツさでコアを保持することで、3個のコア材がバラバラに動かないように固定することができます。
このパイプの長さをケースの長さと同等とすることで、ケースの中でパイプが突っ張って、コアが踊ることがなくなります。
コアが動きにくくすることで、細いRG316がコネクタハンダ付け箇所で断線することを防止します。
ケースに入れた後、ケースを振ってもガタガタしませんので、仕組みとしては上手くいきました。
ケースは40Φの塩ビ管です。RG142を使ったCMFも作るつもりですのでケースは共用できる40Φにしました。
今まで、無線機にはCMFの老舗の250W用の製品を取り付けていましたが、今回製作したCMFと取り替えてコモンモード電流を計測しました。
ローバンドではコモンモード電流が、従来の市販品のCMFの半分以下に下がったことを確認しました。全長25cmと小型ですが、効きはバッチリです。
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コメント
「従来の市販品のCMFの半分以下」というのがすごいですね。市販品がどれを指すかが気になりますが(^^)
投稿: JP1LRT | 2018年4月23日 (月曜日) 09時52分