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2018年6月14日 (木曜日)

BCB(中波放送阻止フィルタ)を作ってみた

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試作したOPantennaをテストしています。中波~20メガあたりまで、大きさからは想像できないほど高感度なんですが、ブロートバンドで高感度ということは、全帯域で出力レベルが高いということです。
ですから、広帯域フロントエンドのSDRや、短波ラジオにはちょっと辛いのが難点。特に中波が半端ありません。
僕の場合、FENの送信タワーが見えそうな距離ですし、TBSの送信所も見通し距離です。
7851にOPantennaを接続すると、954kHzのTBSがS9+55dB、しかも-21dBのATT入れてです。つまりS9+76dB程度で受信できます。
手持ちのDEGEN DE1103の外部アンテナ端子に接続すると、ローバンドでは至るところで中波放送のカブリが確認できます。
中波が強すぎてDE1103のフロントエンドが飽和しちゃってます。アッテネータという手もありますが、頑張って増幅したのを全部弱くしちゃうのはもったいないので、不要な中波帯を削除(いや、弱くする・・・です)すべく簡単なハイパスフィルターを作ってみました。
以前11素子のゴツイ奴を作りましたが、今回は3素子のお手軽版。中波のかぶりが消えればいいだけの簡単なヤツ・・が設計コンセプト。
バタワースなので、部品も10%誤差程度のものでもそんなに特性がズレないと思います。コイルもマイクロインダクタで済ませてます。

Bcb3

3素子では160mは犠牲にしないと中波は阻止できません。でも3.5メガのロスは0.25dBとマズマズだと思います。特性も綺麗です。

3bcb2

フィルターはビニルバイプの中に入れてみました。本当は金属ケースがいいのですが、簡単ですし・・・
さて、実際にOPantennaに接続して、いつもの試験器に入れて特性を測ったら、こんな感じになりました。

中波がかな~~~り弱くなります。
測定値は正規化していませんので-19dBで驚かないでください。
-16~18dB前後で、フルサイズバーチカルとほぼ同等の感度と読み替えてください。
グラフを見ればわかるように、これはオススメですね。簡単ですがしっかり効きます。
3素子はT型に配置するので、工作も簡単。一番大変なのはケースの工作です
たった3素子のハイパスフィルターですが、効果は絶大。実際の受信が楽しみ。というわけで、一応受信イメージをスペアナ画像でご覧ください。
青がフィルター無し、ピンクがフィルター挿入後です。

3bcb_2

フィルター挿入後は中波帯~長波帯がかなり弱くなっているのがわかります。

フィルターを入れたり、外したりしながらDE1103で短波帯をローバンド中心にワッチしましたが、フィルターの効果は絶大でした。

中波のかぶりや混変調と思われる減少はとても少なくなりました(ゼロではありません)。

挿入後は挿入前のように、ぐちゃぐちゃになって聴こえたり、中波の混変調を日本語放送と勘違いしちゃうようなことはありません。

DE1103の感度切替を積極的に併用すると、快適にBCLを楽しむことができました。

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コメント

私の(唯一の)SDRはHF+なのですが、これ用の後付けプリセレクターが近く発売されるそうで、基板写真とか特性図が発表されていました。(名前のMikeのリンク先がそこの頁です。)
自分で手を動かしたことが無いので、良否の判断が出来ないのが悲しいところですが、0 - 5.2 MHz/5.2 - 10 MHz/10 - 17 MHz/17 - 30 MHz価格はUS$49だそうです。

KiCadすんなり出来たようで、完成基板も見栄えが良いですね。私も初めてのKiCadだったのですが、結構七転八倒でした。Fusionで送料最安値にしたら、1ヶ月以上かかって届き、重大なエラーは無かったのですが、解っていたこととはいえシルクが少しおかしいし。

OPantennaでpskreporterですが、おかげさまですっかり比較する気力が失せてしまい、こちらは休眠状態です。以前は、-6dB vs. -10dBか、まあまあだなとかニヤニヤしながら熱心に比較していたのですが、今は、見比べる気すらおきません。まあ、投入する努力の量が違うので、当然の結末ではあるのですが。

投稿: Mike | 2018年7月15日 (日曜日) 08時40分

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